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2018年12月13日 (木)

海洋プラスチック汚染とは?パートⅡ―⑦

続き:
       <日本の取り組みと課題>
 日本でも毎日のように海洋プラスチック汚染についての報道を見聞きするようになってきた。プラスチック問題に対する急激な関心の高まりが感じられる。日本は他国に比べて、廃棄物の回収やリサイクルのしくみが整っているとはいえ、出口対策ではなく、そもそもの使用を減らす・なくすといった対策は弱い。
5-1 日本政府の取り組み
 日本政府は現時点では、レジ袋や使い捨て容器・カトラリー関する法規制などは設けておらず、自治体やNGO、産業界や各会社の取り組みに委ねているのが現状だ。スターバックスがプラスチック製ストローを段階的に廃止する方針を発表して世界中で話題になったが、それに続き、ファミリーレストラン最大手のすかいらーくホールディングスは「2020年までに、国内外3200店すべてでプラスチック製ストローの利用をやめる」と発表した。今後、同様の対応が続くものと考えている。
 「海洋プラスチック憲章」に署名しなかったことへの批判および2019年のG20議長国としての責務もあって、政府レベルでも少しずつ対応が始まっている。一つは、2018年6月に閣議決定された「第四次循環型社会形成推進基本計画」の中で、「プラスチックの資源循環を総合的に推進するための戦略(「プラ戦略小委」)が立ち上げられたのは前号で述べた。
 もう一つは、同じく6月に成立した「海岸漂着物処理推進法改正」だ。これは、正式名称として、「美しく豊かな自然を保護するための海岸における良好な景観及び環境の保全に係る海岸漂着物等の処理等の推進に関する法律」というものだが、海洋環境の保全の観点等を追加し、漂流ごみ等の円滑な処理を推進できるようにした。
 また、日本で初めてマイクロプラスチック対策も取り上げ、事業者は使用抑制・排出抑制に努める義務があるとした。法律の対象としたことは一歩前進だが、罰金等の制裁の無い努力義務なのである為、これから先、実効性が問われる。
 マイクロプラスチックについては、既に対応を進めている企業や業界もある。日本化粧品工業連合会は2016年3月、会員企業約1100社に自主規制を呼び掛け、主な大手メーカーは製品化をとりやめている。花王は2016年末までにすべて代替素材に切り替えており、資生堂も2018年にマイクロビーズ入り商品を販売しないことを決定している。
5-2 日本の課題とこれから
 対応が遅れている日本だが、どのような課題があるか、まとめてみる。
※ ①問題に加担していることを認識し、しっかりした戦略を策定すべき
 2018年3月にオランダなどの研究グループが、「巨大な太平洋ごみ海域」のプラごみの調査を行ったところ、ラベルや表示が認識できたものが386個あり、表示は9ヵ国の言語に及んだ。最多は日本語で、約 1/3 の(115個)あった。2番目:中国語(113個)だ。海流でカリフォルニア州沖まで運ばれたとみられる。このように、日本は、海洋プラスチック汚染の「多排出国」であるのに、世界を納得させられるような対策が打たれていない。
 UNEPの2018年のレポートでは、プラスチック包装材の廃棄物の総量は中国が世界で最大であるものの、一人当たりでみると米国が世界最大で、日本は第2位。日本は使い捨てられるプラスチック包装材の多消費国であるのに、途上国を含む多くの国で施行されているレジ袋の禁止令などの厳しい抑制は行われていないという現状を認識すべきである。





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