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2018年12月 2日 (日)

Science 口腔潜在的悪性疾患→概念、口腔がんの予防 ③

続き:
<2. 口腔潜在的悪性疾患の病理組織学的概要>
 病理組織学的には、OPMDの病変中には口腔上皮性異形成や上皮内がん ( CIS : carcinoma in situ ) が存在するかどうかが重要な所見となる。
1) 白板症
 病理組織学的には、表皮の角化亢進・過形成、上皮異形成、CISが含まれる。白板症は臨床診断名であり、上皮性異形成がみられる場合があり、この場合は上皮性異形成と診断する。
 病理組織学的には、角化の亢進(過角化症)や棘細胞層の肥厚により上皮が厚さを増す。過角化症(hyperkeratosis)は、上皮性異形成の認められないもので過正角化症(hyperparakeratosis)に分けられる。
2) 紅板症
 口腔上皮は角化を欠いて萎縮している。病理組織学的には、高度の上皮性異形成やCISとしんだんされるものが多く、すでに結合組織表層への浸潤がんである場合もある。
3) 口腔上皮性異形成
 OEDでは、細胞異型および正常な上皮の層状配列の消失などが上皮にみられる。その程度のより、軽度(上皮性異形成が1/3以内)、中等度(上皮性異形成が軽度と高度の中間)、高度(上皮性異形成が2/3以上)もしくはlow-grade、high-gradeに分けられる。
 上皮性異形成の有無とその程度に関しては、病理組織検査によって判明するので、生検が不可欠である。組織学的所見には構造異型と細胞異型がみられる。→表あり。
 また、領域性が明瞭な病変であるのもみられる。これは、正常細胞と口腔上皮性異形成(
OED)が明瞭な境界を示していること。さらに、上皮下方に異型細胞がみられ、表層へ行くに従い異型が乏しくなる場合が多い(2層性)。
● 上皮性異形成の診断基準
(Criteria used for diagnosing epithelial dysplsia, WHO 2017)
構造異型→扁平上皮の分化異常
 不規則な細胞重層
 基底細胞の極性喪失
 滴状の上皮突起形態
 細胞分裂像の増加
 上皮表層の細胞分裂
 棘細胞内の角化や単一細胞角化
 上皮脚内角化真珠
 上皮細胞の接着性の消失
細胞異型→細胞増殖や代謝異常
 核の大小不同
 核の形状不整
 細胞の大小不同
 細胞の形状不整
 核/細胞質比の増大
 異型核分裂
 核小体の増加と腫大
 核の過染色質症
4) 上皮内がん
 上皮の全層あるいはほぼ全層が構造異型と細胞異型を示しているが、基底膜は保たれ浸潤が生じていない段階である。→全層置換型と呼ぶ。
 全層置換型とは異なるタイプとして→表層の角質層や棘細胞層に明らかな異型はみられないか、基底層側に高度の異型細胞が密にみられる表層分化型上皮内がんが存在し、口腔ではこのタイプが多い。
5) 扁平苔癬 (Lichen planus)
 上皮直下の帯状のリンパ球浸潤が特徴である。また、口腔上皮の著名な過錯角化および肥厚がみられる。





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