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2019年1月13日 (日)

メディア批評第133回―⑤

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 そんな中で、おやっと思う動きがあった。朝日新聞である。「ゴーン逮捕」を朝日は事前に知っていたのではないか。逮捕2日後の紙面に「カリスマ逮捕の舞台裏」との宣伝記事が載った。
 「容疑者が羽田空港に到着したそのときから、東京地検の捜査は一気に動きました。その一部始終を朝日新聞記者が目撃。緊迫の現場動画も独占配信しています」とデジタル版の宣伝をしている。なぜ朝日だけが知っていたのか。
 村木冤罪事件を報道するなど、朝日新聞は検察に食い込んでいる。検察が嫌がる事実を入念な取材で掘り起こす力がある数少ないメディアといえるだろう。
 今回も逮捕の動きを事前に掴んだ。それとも検察が「朝日に恩を売った」のか。
 権力のメディア対策は二つある。威圧し自主規制させる。それが通じなければエサを撒いて懐柔する。
 検察は「ゴーン逮捕」という危ない橋を渡った。メディアの取り上げ方によって受け止め方は大きく変わる。これから朝日がどんな視点で報道するかを注目したい。
 こんなことを著者(神保)が書くのは、朝日新聞やテレビ朝日の報道に最近、「おやっ」思うことが時々あるからだ。11月8日、テレ朝の昼のニュース。T シャツの若者が警察に連行されるシーンが映し出された。アナウンサーの声が映像にかぶる。ミャンマー人男女9人が不法就労の疑いで警視庁に逮捕されたのだ。技能実習生として来日、建設現場などで働いていたが失踪し、都内で不法就労していたという。警官に囲まれ表情を失った彼らの姿をカメラは丹念に迫った。
 この「特ダネ映像」は記者の「お手柄」かもしれないが、警察は仕事ぶりの PR で取材協力する。メディアへの懐柔策でもある。しかし、ミャンマーの男女がどれほどの「悪」を犯したというのか?
 メディアの仕事は「捕まった外国人」を大写しにすることではない。故国を離れ、法を犯して働かざるをえない人々が日本に沢山いる、その構造を解き明かすことではないのか。権力との距離のとり方が厳しく問われる。
          と、著者(神保)は言う。




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