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2019年1月 4日 (金)

遺体科学の挑戦(2)―②

続き:
 業務となれば、動物園は死因を報告に残す仕事を続けている。彼らが刃物を当て、満足して作業を終えるまで、私(遠藤)は手を出さないと決めている。そこにいろいろな人間が突発的に出現する。
 譲渡されることが一度決定して、準備万端整えて行った大型獣の死体の現場で動物園長出てきて平謝りに謝って来ることがあった。
 「首長と議員がこれの剥製を作って役所のモニュメントにすると突然言い出してしまい、残念ながら渡すことができないのです。申し訳ない」
 病んで座り込んでいた動物なのだろう。褥瘡(床ずれ)で皮は傷ついていまい、剥製など作れる状態ではない。
 だが勿論、無知でも組織の上司に命じられたのなら、動物園から死体が譲られることは無い。この譲渡の話は忘れなければならないのだ。
 小さな動物園だと、そもそも巨獣を処理するノウハウもお金も十分に持っていないこともある。ゾウだサイだというあたりが死ぬと、遠藤ら遺体科学者は、そうした動物園の死体を的確迅速に撤去し、彼らの日常業務を円滑に元に戻す役割も担うことになる。
        ――遺体科学者の役割




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