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2019年2月10日 (日)

Clinical 非歯原性歯痛 パート3 ⑦

続き:
8. その他の疾患により生じる歯痛
 悪性腫瘍、血管炎症、頸椎、新生物、迷走神経反応、薬物の副作用などの様々な原因で「歯痛」が引き起こされることがある。
●通常の歯痛と非歯原性歯痛の鑑別法
 歯原性歯痛であれば、局所刺激に過敏(咬合時痛や打診痛、冷温水痛がある)、食事中に悪化する、歯科治療に反応するなどの特徴がある。痛む歯に診断的麻酔を行って痛みが消失する場合は、その歯が歯原である可能性が大きい。(場所を限局させるため可能であれば歯根膜注射がよい)。
 非歯原性歯痛で抜歯が行なわれてしまう場合に、もっとも多いのが「歯根破折だと思った」という理由であるが、ひびや歯根破折であればこの方法で痛みは消失するため鑑別可能である。
 一方、非歯原性歯痛の場合は、痛みに見合うだけの所見がない、歯科治療に反応しない、一定の痛みが数ヵ月から数年にわたり持続する、食事中は痛みが消失する、痛みの部位が解剖学的整合性を超えて移動する、繰り返し数十分間生じる”発作性”の痛み、等の特徴がそれぞれある。
 通常とは異なる「歯痛」に遭遇した時、歯科医師が行うべきことは、歯科医師にしかできない「歯が原因か否か」の判断である。非歯原性が疑われる場合は、非可逆的な処置は保留して、専門医に依頼するのが得策である。
 非歯原性歯痛という概念はここ30年ほどの間に徐々に知られるようになっているが、まだ歯学部でも教育に取り入れる所は少なく、ましてや歯科臨床医の間に浸透しているとは言い難いのが現状。
 本稿で紹介した非歯原性歯痛はいずれも臨床現場でよく遭遇するもので、決してまれではない。
 非歯原性歯痛や口腔顔面痛についてより詳しく知りたい方は、日本口腔顔面痛学会のホームページを訪れていただきたい。
最後に、我々、口腔顔面痛専門医師がたたき込まれている箴言(しんげん)、
   ――― 「知らない病気は診断できない」 ―――
   を結びの言葉として稿を終えたい。




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