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2019年3月 1日 (金)

Clinical ブラキシズムとしての TCH ④

続き:
3) TCH をコントロールする
 TCH のコントロールも、その行動をゼロにすることが目的ではない。従って、「歯を離しておきなさい」といった患者指導は誤りであり、歯の接触状態が持続する時間を短くさせることが目標となる。
 そのためには、短時間で歯の接触(tooth contact) に気付いて自らその行動をストップできるという新たな行動パターンを作り上げる必要がある。―― ※ 「くいしばり」=咬合力が70~80%)以下1.5~30%の咬合力で気付くようになることが目標である。
 この「患者自らが歯の接触に気付く」という行動パターンを作る方法として我々は行動変容法を用いた対応を提案してきた。行動変容法を用いたTCH コントロールは3つステップで構成されている。
◆1 ステップ : 動議付け(理解させる)
  1日における生理的な歯の接触時間と、”くいしばり”まで達しないような軽い歯の接触であっても咀嚼筋の活動が増加し、それが持続することによって顎関節や咀嚼筋への負担になることを説明する。
  これについては、咬筋部(または側頭筋部)に患者の人差し指を当ててもらい、軽い歯の接触によって筋の収縮が生じることを実感してもらうと効果的だ。
◆ 2 ステップ : 意識化訓練、競合反応訓練、(気付かせる)
  「リマインダー(合図)」を用いて自分の行動を強制的に確認させるようにする。リマインダーとしてはメモやシール等といった視覚的なものや、タイマーの音や振動を用いることができる。合図があった時に、tooth contact をしていないかを確認させる。この時に重要なのは、力の大きさは無視して、あくまでも tooth contact の有無を基準とすることである。合図の回数に対して4~5割以上の頻度で tooth contact が確認された場合、かなり多いと判断できる。最初の段階では、患者に自分の行動を自覚させることが重要であり、これが意識化訓練になる。
  次に競合反応訓練を行なわせる、合図があった時に tooth contact に気付かされたら、すぐに「深呼吸」を行う。深呼吸の際には両肩を持ち上げながら鼻から大きく息を吸い込み、脱力して肩を落とした勢いで口から息を吐き出す。こうすると、上半身の力が抜けたと同時に自然と上下の歯が離れる感覚が体験できる。
  「咬んでいた」というショックの直後に、「力が抜けたら自然と歯が離れた」という安心感を体験させることがポイントである。
◆ 3 ステップ : 強化(繰り返させる)
  2 ステップを繰り返すことにより、合図がなくても上下の歯の接触に気付くようになってくる。つまり、歯が当たったことに気付くという頻度が増えてくるのである。その結果、今まで認識していた力よりも弱い力で、"tooth contact" という行動に気付くようになる。





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