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2019年3月27日 (水)

Science 初期口腔がん早期診断には ~蛍光診断法の確立~ ②


 




































                       

続き:


 


 


3. 5- アミノレブリン酸の口腔がん蛍光診断への応用


 


 2013/07/01~2016/09/30 の期間に鶴見大学歯学部付属病院口腔内科を受診し、臨床所見等から明らかに口腔がんと判断できる症例を除いた28例に対して、本法を用いた診断を行ったので、その代表的症例を出して、本診断法の有用性について考察する(鶴見大学歯学部倫理審査委員会 承認番号 1049)。


 


   症 例


   患 者 : 201Ⅸ年8月


   主 訴 : 舌の腫瘤


   既往歴 : 高血圧症、脂質代謝異常、高尿酸血症、前立腺肥大、B型肝炎にてかかりつけ医にて投薬加療中。


   家族歴 : 特記事項なし


   現病歴 : 201Ⅸ年8月歯科治療時に左側舌縁部の潰瘍を指摘され、当科での精査・加療を勧められ紹介受診。


   現 症 :


    ◍ 全身所見 : 体格中等度、栄養状態は良好。


    ◍ 口腔外所見 : 両側顎下部に小豆大の可動性のある無痛性のリンパ節を各2つ触知。


    ◍ 口腔内所見 : 左側舌尖~16mm後方に13×5mmの偽膜に覆われた潰瘍を認め、その後方に17×7mm の表面性状均一な白斑病変を認め


     た。ヨード生体染色において、病変部は染色されなかった。


   臨床診断 : 左側舌白板症


 


   処置および経過


     病変部に 1% 5-ALA を含むガーゼを1時間貼付した後、蛍光診断を施行したところ、海洋周囲の一部に赤色蛍光を確認した。全身麻酔下に、


    潰瘍周囲では10mm、白斑病変周囲では5mmの安全域を設定し、潰瘍部位は筋層を含めて切除した。現在、術後1年経過しているが、再発所見


    なく、また発音・嚥下障害も認めてない。→ 経過良好。


   病理組織学的所見


     潰瘍部では上皮の欠損と中等度の炎症性細胞浸潤がみられ、潰瘍周囲には核の濃染を示す核細胞質比の高い異型細胞に全層置換された滴状


    増殖を示す異型上皮とその表層に錯角化層が認められた。また多数の核分裂像が所々に見られる。


   病理組織学的診断 : 上皮内がん (carcinoma in situ)


     前記の症例は、桂かおよび所見より左側舌縁部の白板症と臨床診断された症例に対し、5-ALA を用いた蛍光診断を行ったところ、潰瘍部自体


    ではなく、潰瘍周辺の2か所とそのやや後方の1か所に弱い赤色蛍光を発する領域が確認された症例である。


     通常のごとく安全域を設定して切除し、病理組織学的に検索した結果、赤色蛍光を有していた領域を含む切片においてのみ、赤色蛍光領域に一  


    致して滴状増殖を示す異型上皮が認められ、上皮内がんと診断された。


     その他の部位の切片では軽度上皮性異形成が認められた。このことから、5-ALA を用いた蛍光診断は、初期口腔がんの早期診断に極めて有用


    なものと考えられた。


 


                       


 

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