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2019年3月16日 (土)

これからの薬学と歯学 ②

続き:
◎自己硬化型アパタイト骨セメントによる薬物複合化材料の薬物放出制御
 1985年にユタ大学 William I. Higuchi 研究室に留学し、Brown らの発明した準安定型リン酸カルシウムからなる生体親和性の高い低結晶性 HAP に迅速に結晶転移する自己硬化型アパタイトセメントを知った。この自己硬化セメントに種々の医薬品を含有させ、薬物を放出制御する薬物送達機能を有する人工骨設計研究を、大塚は、国際共同で1985~2005年迄客員准教授として20年間、昭和大学薬学部、神戸薬科大学、武蔵野大学薬学部と移籍しながら、ユタ大学薬学部(Higuchi 教授)、ニューヨーク大学歯学部( LeGerous 教授)、シドニー工科大学 ( Ben-Nissan 教授 ) との間で行われた。
 始めに抗菌薬セファレキシンを用い、生体親和性の高い自己硬化した低結晶性 HAP の細孔中に薬剤を分布させ、セメントに存在する連通孔中を拡散して外部に放出し、薬剤を1週間以上の長時間のわたり徐放化できることを確認した。
 この時の薬物速度は、基本的にセメントの空隙率、薬物含有量、薬物溶解度、セメントの表面積、細孔の曲路率に依存し、Higuchi 式に従うことが確認された。その後、粒子径や空隙率、曲路率など種々の速度論的要素を含む薬剤放出機構を HAP セメント硬化体に工夫を加えて、抗炎症薬インドメタシン、抗がん剤6メルカプトプリン、糖尿病薬インスリンなどの薬剤にそれぞれ適用し、長時間の薬剤徐放性を持つ人工骨の調製を可能とした。




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