« 遺体科学の挑戦(4)―③ | トップページ | これからの薬学と歯学 ② »

2019年3月15日 (金)

これからの薬学と歯学 ①

「内の目・外の目」第195回 大塚 誠(武蔵野大学薬学部薬学研究所教授)さんの小論文を載せる。コピー・ペー:
◎はじめに
 古来、薬は、奥深い森や山から専門家の目利きにより採取後、遠路遥々運ばれてきて、乾燥、粉砕など数々の手間をかけて調合し、煎じて、耐え難い苦味を忍耐して飲み干し、病を癒す効果を期待されてきた。
 特に良薬は、大変貴重であることから高価な品として取り扱われ、大切な家族の病を治すために、それを入手するための顛末やいざこざ、人情話が、歌舞伎や講談、落語の題材として演じられて、多くの人々に身近で重要な事柄としての印象を与えてきた。
 現在の医薬品は、経口投与だけでなく、身体のあらゆる臓器・部位へ薬物を自由に送達するために、消化器、口腔、鼻腔、眼球、皮膚、毛髪など様々な身体部位を投与部位として、散剤、顆粒剤、錠剤、注射剤、軟膏などの剤形によって化学物質である薬物は、あらゆる部分に送達されるようになり、革新的な医薬品開発が続々となされている。
 従来の医薬品の法律的定義は、「身体の構造又は機能に影響を及ぼすことが目的とされている物であって、機械器具等でないもの」であるが、この定義を大きく逸脱する医薬品が出現している。
 例えば、医薬品に医療器具を複合化させた医薬品として、あらかじめ注射剤をシリンジに充填してあるプレフィルドシリンジ製剤は、医薬品として認可されたが、一方、動脈硬化症治療で血管拡張に使用される医療用具ステントは、ステント自体に薬剤を導入し、長期薬剤を血管内局所に徐放化させるなどの従来の医療用具と医薬品を複合化させた薬物送達システムであるが、実際には、医療用具として認可され、広く治療に使用されるようになっている。
 すなわち、従来、医薬品と医療器械器具の複合化薬物送達システムを生み出してきていることの証拠として認知されている。
 口腔外科領域で、このような医薬品と医療器具を複合化する薬剤徐放性歯槽骨形成法として開発されつつある。大塚は、1985年から人工骨と骨代謝改善薬を複合化させた自己硬化型ハイドロキシアパタイト(HAP)セメント薬物放出製剤の研究を遂行してきた。これらの革新的新規複合化システムの開発過程を紹介する。




« 遺体科学の挑戦(4)―③ | トップページ | これからの薬学と歯学 ② »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: これからの薬学と歯学 ①:

« 遺体科学の挑戦(4)―③ | トップページ | これからの薬学と歯学 ② »