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2019年4月 2日 (火)

Clinical 抗血栓療法と歯科外科処置のアップデート ④

   
 

続き:

 

 3) 抗凝固薬と抗血小板薬および複数の抗血小板薬を併用している患者

  消化器内視鏡診療ガイドラインでは、抗血小板薬を2剤内服している患者、抗血小板薬と抗凝固薬を併用している患者、アスピリン、アスピリン以外の抗血小板薬、抗凝固薬を3剤併用している患者は基本的に血栓塞栓症の発症リスクが高い患者で、抗血栓薬の休薬は極力避ける必要があるとされている。

  抜歯に関しても、重篤な出血性合併症の報告はないので、複数の抗血小板薬または抗凝固薬と抗血小板薬が併用されている場合でも抗血栓薬継続のまま抜歯することが推奨されている。

 

 ● 抗血小板薬2剤またはワルファリンと抗血小板薬併用患者の抜歯後出血に関するシステマティックレビュー

   (抗血栓療法患者の抜歯に関するガイドライン作成合同委員会による)

 抗血小板薬 2剤服用患者の抜歯後出血 (コホート研究3 編)

     抗血小板薬 2剤――― 抜歯後出血発生率  1.24% (2/162)

     単剤       ―――― 同上出血発生率   2.17% (2/92)

 ワルファリンと抗血小板薬併用の抜歯後出血 (コホート研究11編)

     ワルファリン抗血小板薬 1剤―抜歯後出血発生率 6.1% (63/1032)

     ワルファリン単剤    ――― 同上出血発生率   5.7% (50/883)

     抗血小板薬単剤    ――― 同上出血発生率   1.9% (11/591)

     抗血栓薬服用なし   ――― 同上出血発生率   0.2% (1/638)

 

 <症例 4>

  抗凝固薬と抗血小板薬 3剤服用患者の抜歯症例

   バージャー病(閉塞性血栓血管炎)、バイパス手術後で、抗凝固薬ワルファリンと抗血小板薬 3剤(クロピドグレル、サルポグレラート、シロスタゾール)を服用していた。血栓塞栓症の発症リスクが高い患者のため、抗血栓薬 4剤継続下に抜歯を行った。PT-INR 値は1.56 であった。

  抗血栓薬 4剤継続下に左側下顎大1大臼歯の近心根を抜去したが、抜歯中の異常異常出血はなかった。抜歯窩に吸収性ゼラチンスポンジを挿入して縫合し、術後出血もなかった。

 

 

 

 

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