« ~アマゾンの N Y 進出騒動から読む~ ① | トップページ | ~ アマゾンのNY進出騒動から読む~ ③ »

2019年5月13日 (月)

~ アマゾンのNY進出騒動から読む~ ②

続き:

 

   いびつな誘致合戦

 アマゾンの誘致では、州政府・市政府が30億ドルの利益供与(減税、補助金など)を約束した。市議会はアマゾンの重役を呼び出し、「時価総額」1兆ドルの世界企業に巨額の付け届けは不要ではないか」と追及し、ウォールストリート・ジャーナルも「これは(政治とビジネスの)縁故資本主義」と批判する社説を掲載した。進出反対派は「旧式の地下鉄は混雑し、汚れている。

 アフォーダブル(手ごろな家賃で借りられる)住宅は欠乏、公立学校は予算不足。喫緊の都市問題を放置し、コミュニティの分断、格差の拡大、中低所得層・零細商店を解体する開発に利益共与するのはナンセンス」と叫ぶ。

 アマゾンは第2本社の誘致合戦に敗れた都市にも不信感を植え付けた。「高給を稼ぐ創造階級が大量移住する」と大々的に喧伝し、適地探しをはじめた。この間、230以上の都市政府から「釣書(減税などの提案)」を提出させ、誘致を競わせた。ニュージャージー州政府とニューアークは70億ドルの利益供与を約束した。加えて人口動態や土地利用、市民の所得分布、教育水準など膨大な量のデータと資料を提出させた。―――非公開情報も含まれていた。

 誘致に走った都市は「素っ裸にされる」と苦笑し、それでも不承不承、分厚い「釣書」を提出した。

 アマゾンはこれらのデータや資料を、マーケティングや物流戦略に役立てることができる。それで結局、適地に選ばれたのはスーパースター都市――ビジネス首都 NY 、そして政治の首都ワシントンだった(第2本社を2分割)。

 脱工業化が深刻で都心の衰退が激しいニューアークなどは、早い段階で選出外になった。敗北した都市の間には、ニンジン(創造都市の夢)を眼前にぶら下げられ、「我々はアマゾンに都合よく利用された。最初から、出来レースだったのではないか」という強い嫌疑が残った。

« ~アマゾンの N Y 進出騒動から読む~ ① | トップページ | ~ アマゾンのNY進出騒動から読む~ ③ »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事