« 都構想・万博・カジノ ② | トップページ | 都構想・万博・カジノ ④ »

2019年5月 9日 (木)

都構想・万博・カジノ ③

続き:

   「万博・カジノの財政問題」の後半を載せる。

 IRの用地は万博予定地の隣接部分70ヘクタールを埋め立てて整備する。大阪府・市が2019年2月にまとめたIR基本構想案に依れば、IRの投資規模を9300億円と想定し、年間売り上げ額4800億円のうちカジノでの売り上げは3800億円ととしている。つまり、IRの収益の80%はカジノによるものであり、IRの経済的実態はカジノにほかならない。

 さらに大阪府・市は2019年の春から事業者公募をはじめるとしているが、これは政府が同年夏までにIRの基本方針を公表するというタイミングと前後する。IR推進法で全国三カ所までとされた施設の詳しい要件や選定プロセスが明らかでない状態で、大阪ではIR事業者の選定に入るというのである。その背景に、IR推進法の成立に協力した維新の会と自民党との関係があるのは間違いないであろう。

 海外大手IR企業は大阪万博決定の際に祝電メッセージを発したり、天神祭への協賛金・奉拝船・奉拝花火を提供したりするなど、大阪の政治行政と緊密な利害関係ができつつあることも確かである。大阪市は万博開催決定の直後に、夢洲へ延伸される地下鉄の整備費用のうち200億円をIR事業者選定の事実上の条件にすると発表した。これらの点は、万博がIR誘致のための露払いとしての役目を負っていることを示すものである。

 松井知事と吉村市長(現在:吉村知事と松井市長となっている。)は、万博誘致の成功は「府市が一体となって誘致活動に取り組んだ成果」だと喧伝し、府市一体の取り組みが安定したものとなるために「大阪都構想」が必要であるとしている。しかし、このような理由づけは説得的なものではない。万博についていえば、これは国が主体となって誘致するものである。

 会場決定の投票の際に政府が発展途上国への援助を約束したのもそのためである。大阪の人々が本当に万博のようなものを望み、それが財政や環境などの面で問題がないのであれば、府・市が協力しあわないということは考えにくい。逆に、そのような政策がいずれかの自治体=市民にとって甚大な社会的コストを生じさせる懸念がある場合には、そのための拮抗力となるのが自治体の当然の姿である。

 彼らがいう「大阪都構想」の必要性とは万博などとは関係がなく、看板政策を推進するための政治的な思惑や利害関係でしかない。

« 都構想・万博・カジノ ② | トップページ | 都構想・万博・カジノ ④ »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事