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2019年5月12日 (日)

~アマゾンの N Y 進出騒動から読む~ ①

「世界 4」に矢作 弘(龍谷大学研究フェロー、ジャーナリスト)さんが書いている。それを載せる。コピー・ペー:

 これは「創造都市」が生む未曾有の格差社会の事を述べている。

 

   ハイテクエリート集団の「降下」

 ハイテクを駆使する無店舗販売のアマゾン・コム(本社シアトル)は2018年11月、ニューヨーク( N Y )に第2本社を置くと発表した。年収平均15万ドル(約1700万円)を稼ぐハイテクエリートと管理職(クリエイティブクラス=創造階級)2万5000人が働くオフィス街を建設する。計画では、将来、5万人になる。その住宅需要を満たす高級アパートを大規模開発するプロジェクトが連動する。

 NY都市史上、最大規模の企業進出計画で、突然、「小規模都市」が到来する話だった。ところが発表後3カ月で計画は頓挫した。

 計画発表の翌日、開発予定地草の根運動グループ、地区労働組合が集会を開催、「進出反対」のシュプレヒコールを連呼した。そこには、先の中間選挙で民主党重鎮をやぶって連邦下院に当選し、喝采を浴びたプエルトリコ系のA・オカシオ=コルテス議員の支持基盤の人々もいた。州議会・市議会で批判が噴出。批判の渦はメディアに広がった。ニューヨーク・タイムズに加え、ウォールストリート・ジャーナルなどの経済紙もその計画に疑問を投げかけた。

 批判の噴出に、アマゾンは2019年2月中旬、NY 進出計画の断念を発表した。

 ガーディアン(英国)は NY 在住の批評家の評論「親愛なるアマゾン様、NY は貴殿をいらない。都市破壊は他でされたし」を記載した。論旨はこうである。NY はファイナンス(銀行、証券、保険など)を基盤に世界都市として「大成功」したが、この間、ファイナンスエリート、及びその周辺で働く専門家集団(弁護士、会計士、デザイナー)が中低所得階層の暮らす街に移住している。街には高級アパートやしゃれたカフェ、ブティックが軒を連ねはじめた。その結果、家賃が高騰し、「以前からの住民が暮らしづかくなった」「ホームレスが増えた」「店賃が払えず零細商店が閉店している」。

 巷のNY っ子は、そうしたコミュニティの分断、格差の拡大に「日々、必死に折り合いをつけて暮らしているのに」、アマゾンの、空前絶後の規模での襲来は、「下痢に苦しむ患者にインフルエンザを罹患させる話である」と論難した。

 創造階級を誘い、それをテコに都市の成長を目指す「創造都市政策」に対する批判である。今般は、情報系ハイテク企業の集中する西海岸から飛来し、ファイナンスクラスター(ある特定分野の企業や人材の高度な集積)の上空からハイテクエリートを投下する話。すなわち、創造階級クラスターを重ね積みする開発は NY の破壊につながる。という主張である。

 アマゾンの第2本社予定地はクイーンズ区のロング・アイランド・シティ、そのイーストリバー沿いだった。最近は総ガラス張りの超高層オフィスビルや豪華なアパートを建設するクレーンが林立している。対岸のブルックリン区(ウィリアムズバーグ、グリーンポイントなど)は、都市更新が市内で最も激しい。

 賃貸住宅暮らしの中低所得層が高騰する家賃に悲鳴を上げている。

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