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2019年6月10日 (月)

企業のロビイ活動とは

内田聖子(NPO法人アジア太平洋資料センター(PARC)共同代表)さんが述べている。コピー・ペー:

 

 どの国・どの時代でも、政策は政治家や官僚だけが作っているものではない。企業やその業界団体、あるいは労働組合、消費者団体などの市民社会組織も、自分たちの目的を反映した政策を実現するために、政治家・官僚に働きかけ、影響を及ぼそうとする。いわゆるロビイ活動である。その定義には多少の議論の余地があるものの、最も基本的なレベルでは、「政府機関、政府高官(議会議員、規制当局官僚等)の行動、政策、決定に影響を与える活動」と定義できる。

 欧米では広くロビイ活動が展開されている。「回転ドア人事」という、政府と民間の人事異動・交流はごく当たり前であり、例えば米国では製薬会社のトップだった人間が、貿易交渉での知的財産分野の交渉官に転職することもあれば、食料メジャーの要職に就いていた人物がFDA(食品医薬品局)に移り、食品安全基準を緩和することもある。

 ワシントン・ホワイトハウスのすぐそばには「Kストリート」と呼ばれるシンクタンク、ロビイスト、各種団体などがオフィスを構える密集地区があり、ロビイストが日々、政治家や官僚への働きかけを行っている。連邦政府レベルのロビイ活動は、1万1000人以上に及ぶロビイストを含む、年間約31億ドル産業である。

 欧州でも同様である。欧州委員会、欧州議会、欧州理事会の3機関はいずれもベルギーのブリュッセルにあるが、これら3つの周囲はわずか1km四方に、大企業のロビイストや法律事務所、コンサルタント企業等が密集するロビイスト地区がある。欧州は様々な分野で国際的なルールづくりを牽引していることもあり、各国・EU内にとどまらない、グローバルなレベルでのロビイ活動も多く見受けられる。各業界の企業ロビイストは人脈と資金力を使って、日々、欧州委員会や欧州議員に働きかけている。

 勿論、市民社会側も政策立案者に様々な提言を行っている。企業は利益追求が目的だが、市民社会は公共性や平等性という観点から、環境や人権、食の安全などを追及する。それぞれの原理や目的は異なり、求める政策も対立的になることは多々あるわけだが、企業ロビイの人脈、資金力は市民側のそれと比べ物にならないほど強い。だからこそ多様な意見や立場を十分に反映した上で、公共に資する法律や規制の策定を求めることが「市民ロビイ」の原則となるのだ。

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