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2019年7月 4日 (木)

マイナンバー・リスク ④

続き:

 

<生活面では必要ない>

 

 ――マイナンバーカードが普及するかどうか最大の焦点ということですが、現在の低迷の理由は何だとお考えですか。

白石 普及率を自治体別に見て見ると、自治体や年代によって非常にばらつきがあることがわかります。総務省の意を受けた熱心な自治体や、運転免許証を返納したりパスポートを持っていなかったりする高齢者の方が身分証代わりに持っているのだろうと推測出来ます。実際の利便性としてはそういう以外に考えられない以上、現時点ではこれ以上の普及は難しいだろうと思う。

 紛失や情報流出等の大きなリスクがある反面、メリットはさほど無いわけですから、市民の自発的意思によって普及が進むということは当面考えられません。写真撮影など、カード取得の手続きも煩瑣です。しかも、マイナンバー導入にあたって、情報流出などの問題を指摘する反対世論を抑えるために、さかんに「マイナンバーカードは盗まれたら大変」という啓発キャンペーンを行ったので、番号を人に知られてはいけない、カードもみだりに持ち歩かないというイメージが定着していて、それが皮肉にも普及の重石になっている。

 白石から見るところ、マイナンバー制度は失敗だ。マイナンバーカードは有効期限があり、20歳未満では5年、それ以上で10年です。今後も状況も変わらなければ更新しない人も出てきて、普及率にダメージを与えるだろう。2014年の報道では、マイナンバーの導入費用は2000億~3000億円、毎月の運用経費が数百億円とする試算もあったが、政府は経費の全貌を明らかにしていません。これだけお金をかけておきながら、カードの普及率は住基ネットと変らない。一体、何のためのシステムなのか、つくづく、やめておけばよかったのに、と思う。

 しかし、今後、政府が普及に本腰を入れていく可能性もある。マイナンバーカードの顔写真データの保存期間は15年間と総務省令で定められているが、「治安維持のため」といって、国が法律を変えて永久保存にする可能性もある。また、すぐに住民全員の顔データを集められなくても、徐々に積み上げていくことは可能だ。たとえば出入国管理ではすでに顔データと指紋データの管理を始めています。

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