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2019年7月 5日 (金)

マイナンバー・リスク ⑤

続き:

 

<持たない、使わない>

 

――口座の開設や税務署での申告等、マイナンバーを使わせようとという同調圧力が高まってきている。市民は、マイナンバーと如何向き合えばいいのでしょうか。

白石 最も重要なことは、カードを持たない、番号を書かない、この2点である。それが個人に出来る最大の抵抗です。

 マイナンバーの記入を拒んだところで罰則があるわけでは無い。いま、企業が労務管理の中で従業員のマイナンバーを収集しようとしていますが、企業側の関係者も、本音の部分は煩わしいと思っている人が多数だと思う。企業側にメリットはありません、それで、管理責任とリスク・コストが発生するわけですから。ただ最近、厚労省が、新社員採用後の労働保険加入の際、労働局に出す書類にマイナンバーを書くよう指導を強めている。会社組織を使って締め付けるというのは、非常に日本的なやりかただ。法的根拠等なくても、会社を通じて同調圧力を高めていくわけだ。

 いま問題視すべきなのは、健康保険証との抱き合わせです。実は、マイナンバーのICチップのデータは、マイナンバーの領域と公的個人認証の領域に分かれています。いま出ている法案では、保険証としては個人認証の領域を使うだけで、保険証の情報をそっくりマイナンバーカードとリンクさせる方式では無いのです。あくまで病院へマイナンバーカードを持って行ったときに、本人かどうか照合するだけ、ということ。

 その背景に、健康保険証の情報との紐づけに対する医療関係者、日本医師会などの強い反対もある。

 しかし、まったく安心は出来ません。一旦、健康保険証との連動を認めたならば、次は如何なるか。日本政府の手法は、小さく導入して穴を空けてから徐々に拡大していく方式なのだ。

 先にも話しましたが、日本社会は忖度や同調意識に包まれている、世界でも特異な国なのです。会社組織を通したマイナンバー提出強要その最たるものだ。個人では嫌だと感じても、組織の中では「自分は嫌だ」と言えないで従ってしまう。更に、市民の無関心や、自分だけは被害者にならないという意識、こういうものが社会的連帯を阻んでいる「空気」ではないでしょうか。

 マイナンバー制度には、こういう極めて日本社会的なものがベースにあると思う。秘密保護法や拡大盗聴法、共謀罪など含め、加速する監視社会の問題としてマイナンバー制度も位置づけてとらえる必要があります。

 最後に付け加えれば、番号制度といっても様々あるにもかかわらず、一括りにして「番号制度は世界の趨勢」と「専門家」や「研究者」と自称している人たちが間違った情報を垂れ流している怖さを指摘する。分野限定の番号制度がむしろ世界では主流である。――このことを我々は、認識する必要があります。

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