« Clinical 「超高齢社会を支える義歯治療」 ⑤ | トップページ | EU とポピュリズムのせめぎあい ② »

2019年8月17日 (土)

EU とポピュリスムのせめぎあい ①

庄司克宏(慶應義塾大学教授)さんは「世界 8」に「欧州の行方を占う選挙が5月に実施。いまや「常態化」しポピュリスト政党が構成する勢力地図はどのように変化したのか。今後のシナリオを描き出す。と述べている。 コピー・ペー:

 

 「ヨーロッパ人は今ではEU とポピュリストの両方を気に入っているようだ」

 これはブリュッセルにある欧州政策研究センター(CEPS)で所長を務めるダニエル・グロス博士の発言。EU 市民はどれくらい EU を気に入っているのだろうか。2019年2~3月世論調査(ユーロバロメーター)によれば、EU 加盟を良いことであるとみなしている27加盟国(イギリスは除く)の市民は平均で61%に達し、悪いことであるとみなす10%を大幅に上回っている。

 また、EU 加盟の是非を問う国民投票が明日行われるとすれば、EU 残留に賛成すると回答した市民は平均で68%に達し、EU 離脱支持は14%にとどまる。離脱支持が残留支持を上回る国は1つも無い。これはブレグジットをめぐるイギリスの混迷によるところが大きい。それを反映して、イギリスを除く各国で EU 離脱を主張する政党はほとんど姿を消している。

 また、同じ世論調査で、ポピュリストはどの程度 EU 市民から気に入られているかに関して、「欧州各国で伝統的な政治エリートに反対する政党が台頭しているのは懸念されることである」ことに「全く同意する」という回答が平均で61%なのに対し、「全く同意しない」という回答も28%あった。これは、EU に加えてポピュリストも気に入っている EU 市民がかなり存在することを示している。

 EU 内でポピュリスト政党の存在は今や、「常態化」しているとも言われる。オランダにあるユトレヒト大学のマタイス・ローダイン教授の研究によれば、各国ポピュリスト政党ごとに支持層が顕著に異なり、それらの政党を支持する有権者は必ずしも教育レベルの低い低所得者層や欧州懐疑的傾向を有する者とは限らないことが指摘されている。

 なお、ここで言うポピュリスト政党とは、特に、欧州懐疑主義、ナショナリズム、反既成政党などを共通項とする右派のポピュリスト政党を指すものとする。

 

« Clinical 「超高齢社会を支える義歯治療」 ⑤ | トップページ | EU とポピュリズムのせめぎあい ② »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事