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2019年8月23日 (金)

世界に広がるNGO危機――法律や規制が活動を押さえつける国々

「世界 4」雑誌に「アムネスティ通信」の項より、載せる。 コピー・ペー:

 

 ここ数年で、NGO の抑圧を狙った法律や規制を導入する政府が相次いでいる。アムネスティの調査では、こうした国は50以上にのぼる。よく使われる手が、団体登録に理不尽な条件をつけたり、多大な労力・費用がかかる煩雑な手続きを課すというもの。

 アゼルバイジャンでは登録には、同国の道徳価値を尊重し、政治的・宗教的な主張はしないと証明しなければならない。カンボジアでは定義が定かでない「政治的な中立」が登録拒否や閉鎖命令の正当化に使われる。ベラルーシでは登録を却下されたNGOの仕事は犯罪。パキスタンでは、2018年10月、18団体が理由を示されず登録を却下、国外退去を命じられた。

 資金面の規制で活動を押さえ込む国もある。ロシアや赤道ギニアでは、政府寄りのNGO以外には公的助成金がほとんど出ないのだ。イスラエルでは、同国をユダヤ人の国と見なさない、あるいは独立記念日を「嘆きの日」とする団体は、助成金をカットされる。

 ロシアでは、外国資金を得ていて「政治的な活動」に関与するNGOは、スパイや裏切り者と同義語の「外国エージェント」として登録しなければならない。「政治的な活動」には、政策提言や啓発活動も含まれる。また、法律上は科学、文化、芸術、保健、環境保護は「政治活動」ではないが、実際は、外国から資金を得ているNGOはどんな団体でも、「外国エージェント」と見なされかねない。この法律ができてから、30団体が閉鎖に追い込まれ、40以上が海外からの資金をあきらめて活動の縮小を余儀なくされた。海外資金に対する規制は、アゼルバイジャン、カザフスタン、タジキスタン、ベラルーシ等―旧ソ連圏にも広がっている。

 アイルランドでは、海外からの寄付が禁止され、国内からの寄付も厳しく規制されている。政治活動目的に限定されているが、現実には、どんな提言活動も対象になり得る。

 特定の活動を規制する国もある。例えば国外での難民収容政策が批判されているオーストラリアでは、収容施設での性的暴行や医療怠慢を明らかにした関係者は、投獄されるおそれがある。ハンガリーは移民を支援する団体に特別に税金を課す。中国は「外国NGO管理法」のもと、登録から報告、銀行取引、雇用、資金調達まで、幅広い規制をかけている。ブルンジでは2018年、外国NGOに対し3カ月の活動停止命令が出された。インドにも外国団体を取り締まる法律がある。

 種類は様々だが、要は、どれも政府に都合の悪い活動を押さえつけるための法規だ。罰則を盾に市民の声を封じる政府が増えていることは、恐ろしい限りだ。

 

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