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2019年8月 7日 (水)

「トランプ・ドクトリン」はあるのか ①

会田弘継(青山学院大学教授)さんは以下のように述べる。→ コピー・ペー:(世界 8)より

 

 この6月20日から21日にかけて起きた、米軍によるイラン攻撃の「10分前」(トランプ大統領)中止事件。ホルムズ海峡での相次ぐタンカー攻撃の実行犯を巡る米国とイランの激しい応酬の挙げ句、米軍の無人偵察機をイランが撃墜した。その報復として、米軍が同国の軍事施設などを攻撃する寸前で、トランプ大統領が中止を命じたという出来事だ。 トランプ政権のイラン核合意(2015年)からの離脱と、その後の経済制裁によるイランの窮状が背景となっていた。

 戦争突入の危険もはらんでいたから、世界はひとまず胸を撫で下ろした。だが、即座に大統領自身が TV・インタビューで自慢げに中止の経緯を明らかにし、その後、自分で出していた攻撃命令を取り消した経緯を巡って、その芝居ぶりを主要メディアにこき下ろされた。相変わらずの「トランプ劇場」に、げんなりした向きも多いだろう。

 役者も揃っている。伝えられるところでは、ボルトン国家安全保障問題担当大統領補佐官とポンペオ国務長官が攻撃を強く主張し、トランプはイラン側の犠牲者が150人と推定されると聞かされ「(無人機撃墜と)釣り合わない」と中止を命じた。それでもボルトンらは攻撃にこだわったという。

 この三人がやりあっている様子を想像すると、正に「劇場」だが、こうした経緯が積極的にリークされる背後の意図やリークの主体についても、よく思いを致してみるべきだろう。

 攻撃中止判断に当たっては、保守派のケーブル TV 、FOX ニュースの人気コメンテーター、タッカー・カールソンが大きな影響を与えたということも NY タイムズなど有力新聞紙によって報じられた。メディアについても左右の分断現象が起きている米国で左側にいる人たちは、あきれるばかりだったろう。ましてや米国外から見ると、「わけの分からなさ」が強調されることになった。

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