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2019年8月22日 (木)

サイバー諜報技術――人権活動家が標的に

「世界 7」雑誌の中にアムネスティ通信の項で、述べている。 コピー・ペー:

 

 スノーデンが告発した米国政府の大規模監視や欧州司法裁判所が違法と断じた英国の調査権限法など、政府による通信監視体制が問題となって久しい。日本でも共謀罪導入にあたり、処罰対象となった「準備行為」の把握で tel やメールが監視されるのでは、という懸念が広がった。

 「合法的傍受」用の製品に、ペガサスというソフトウエアがある。開発したのはイスラエル企業のNSOグループだ。製品説明書には「従来の傍受技術の課題を解決する世界トップレベルのサイバー諜報活動ソリューション」とあり、「法律執行機関・情報機関は、標的のどんなモバイル機器からでも遠隔・秘密裏に情報を取り出すことができ」、「追跡不可能」と謳っている。

 国家によるネット上の検閲や監視活動を多数暴いてきたシチズンラボは、昨年(2018年)、ペガサスが、世界45ヵ国で使われている可能性を指摘した(日本は含まれていない)。

 この5月、フェイスブック傘下のメッセージアプリ「ワッツアップ」の脆弱性をついたサイバー攻撃がニュースになった。一部ユーザーのスマートフォンに監視ソフトが埋め込まれたという。ワッツアップはすぐに対策をとり、アプリの更新を呼びかけたが、この件を最初に報道したフィナンシャル・タイムズは、NSOグループのスパイウエアによるものだとした。 オンライン上の自由と人権を擁護する米国非営利団体CDTもペガサスとの関連を指摘している。

 2018年夏、アムネスティの職員がワッツアップで怪しげなメッセージを受け取った。そこには、ワシントンのサウジアラビア大使館前で行われているデモを取り上げてほしいリンクが貼られていた。ちょうどその頃、女性の権利を求めたために投獄されたサウジ女性たちの釈放を訴えるキャンペーンを展開中だったこともあり、その職員はそのままテックチームに回した。解析の結果、クリックすると知らないうちにペガサスがインストールされ、スマホが乗っ取られてしまうサイバー攻撃だった。ペガサスの拡散を狙ったものと考えられる。

 ペガサスを使った、活動家やジャーナリストへのサイバー攻撃は、メキシコ、サウジアラビア、アラブ首長国連邦で確認。NSOグループは、世界中の人を守るためテロや犯罪防止目的で製品を開発しており、その方針に背くような利用は調査すると言うが、その悪用は続いている。

 アムネスティはNSOグループの防衛輸出許可を取り消すようイスラエル防衛相に要請したが、拒否された。現在、イスラエルの市民30人が、輸出許可取り消しを求めて提訴しており、アムネスティはこの訴訟を支援している。

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