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2019年8月 9日 (金)

「トランプ・ドクトリン」はあるのか ③

続き:

 

 今回のイラン攻撃中止と似たパターンで起きた事件に、2018年12月のシリア撤兵騒動がある。トルコのエルドアン大統領とのテレフォン会談後、トランプ大統領は突然のごとくイスラム国(IS)掃討は終わったとして内戦下シリアからの米軍完全撤収を発表した。

 これに対し国防総省はIS掃討は終わっていないと反論し、結局マティス国防長官の辞任に至った。この問題でも、ボルトンが米軍撤退に追加条件を付けて先延ばしするなど、政権内不一致をさらけ出しながら、同盟国を説得する調整に当たった。

 最近ではこの5月、トランプの国賓来日に当たって、北朝鮮の短距離弾道ミサイル発射実験に関しボルトンが「国連安全保障理事会の決議違反だ」と断言したのに、トランプは「金正恩委員長は約束を守ると信じている」と述べるだけで、決議違反に言及するのは避けた。

 こうした一連の出来事には共通項がある。タカ派のボルトンやポンペオに対し、最期に「留め男」になるトランプといったところだ。外交的には、そうした役割分担で敵対する相手、あるいは交渉する相手に一定の効果を持つと踏んでいるのだろう。ボルトンのように冷戦期からタカ派で鳴らし、トランプ自身が批判するイラク戦争の主導役だった人物を側近に登用した理由はそのへんにありそうだ。

 実際、トランプとボルトンは、上記のように重要な安全保障政策で何度も意見の食い違いを表面化させながら、ボルトンはいまのところ解任される気配もない。

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