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2019年9月22日 (日)

Science デンチャープラーク微生物叢の群衆解析と義歯ケア ⑧

続き:

 

おわりに

 

 NGSを用いたメタ16S解析によって、検体中の細菌叢の全体的な特徴を手軽に評価できるようになった。義歯性口内炎の原因微生物としては C.albicans 専ら注目されてきたが、今後は常在細菌の関与についても研究が進むだろう。デンチャープラーク細菌叢は個人差が大きいが、同一口腔内のデンタルプラーク細菌叢等の影響も受けていると考えられ、義歯ケアと口腔ケアを一体として行なうことの重要性が示唆される。

 超高齢社会を迎えた我が国で歯科医師に期待される役割は拡大し、開業歯科医師であっても、通院可能な外来患者だけでなく、医科の入院している患者や在宅の要介護者の口腔ケアも対象となる時代が到来した。

 今後様々な分野の専門家との共同作業が増え、義歯ケア・口腔ケアに関する助言を求められる機会が増えると予想される。本稿はその基礎となるデンタルおよびデンチャープラーク微生物叢に関心を持つきっかけとなれば幸いである。

 

<追加>

※  健康な日本成人の腸内細菌叢を特徴づける主要4門と菌種

    門          属――菌種の例

Firmcutes    クロストリジウム、乳酸桿菌、腸球菌、レンサ球菌、

           ブドウ球菌、ベイロネラ属等

Bacteroidetes  バクテロイデス、プレボテラ、ポルフィロモナス属等

Actinobacteria ビフィズス菌、放線菌、コリネバクテリウム属等

Proteobacteria 大腸菌、緑膿菌、ナイセリア、肺炎桿菌等

 

※  腸内細菌叢のエンテロタイプと食習慣との関係

 エンテロタイプ     食事内容

Bacteroides     タンパク質や動物性脂質が多い食事

Prevotella      炭水化物中心の食事

Ruminococcus   上記の2タイプの中間

 

※ ③ 2型糖尿病患者の腸内細菌叢の特徴

 調査対象国        構成比→増加        構成比→減少

 中 国       Clostridium属、       酪酸産生菌

          Bacteroides cacae、     (Roseburia、Eubacterium、

          Eschichia coli等         Faecalibacterium等)

 スウェーデン    Clostridium属、

          Lactbacillus gasseri、            同上

          Streptococcus mutans等

           地域・人種特異的の菌種である

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