« 世界で競争力を失う原子力発電 ③ | トップページ | 世界で競争力を失う原子力発電 ⑤ »

2019年10月19日 (土)

世界で競争力を失う原子力発電 ④

続き:

 

 中国では原子力よりも風力が拡大

 電力需要が旺盛な中国では、原子力発電の規模が2010~2018年までの8年間で3倍以上に拡大した。さらに2021年までに、11基の原子炉が運転を開始する計画だが、それ以降は1基も着手していない。2019年内に新たな開発計画が発表される可能性はあるものの、原子炉を新設するペースは衰えてきた。

 欧米の先進国と同様に風力・太陽光の発電コストが急速に低下して、割高になった原子力発電に投資するメリットが薄れたためだ。それに加えて福島の事故以来、中国でも安全性に対する懸念が高まっている。

 21c.に入って急速な経済成長に伴い、中国の国全体の発電量は一気に増加した。いまや米国を上回って世界最大の発電量を誇り、日本の約6倍の規模になっている。

 ただし石炭火力発電が全体の60%以上を占めていて、大気汚染の問題が深刻だ。

 汚染物質や CO2 を出さない発電設備の拡大が急務で、中国政府は原子力と自然エネルギーの両方を伸ばす戦略を進めてきた。しかし両者には決定的な差がついている。(2017年で、石炭 4兆KW時、自然エネルギー 1.7兆KW時、原子力 2.5千億KW時)。

中国では以前から水力発電が盛んで、自然エネルギーの比率は2018年に25%に達した。風力発電が2010年から大幅に増えて、2013年には原子力の発電量を抜いた。さらに最近は太陽光発電が風力発電を上回る勢いで伸びている。

 中国政府の掲げる2020年までの5か年計画の進捗を見ると、すでに、風力と太陽光は目標を前倒しで達成する一方、原子力は目標を大きく下回っている。原子力発電は火力発電のように大気汚染物質や CO2 を排出しないとはいえ、人類や動植物に重大な危険を及ぼす放射性廃棄物を生み出す。放射性廃棄物の処分を含めて安全性の問題を解決できない限り、中国でも原子力発電を拡大することはむずかしい。

« 世界で競争力を失う原子力発電 ③ | トップページ | 世界で競争力を失う原子力発電 ⑤ »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事