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2019年10月 4日 (金)

Science ~材料科学の立場から考える~ ③

続き:

 

2. 2ケイ酸リチウム系ガラスセラミックス

 2ケイ酸リチウム系ガラスセラミックス(IPS e.max CAD, イニシャル LiSi プレスなど)は優れた審美性材料である。CAD/CAM で製作されるものと、加圧成形(プレスタイプ)によるものである。ジルコニアがジルコニア結晶集合体からなるのに対して、2ケイ酸リチウム系ガラスセラミックスは、SiO2骨格を基本とするガラス構造を有し2ケイ酸リチウム (Li2O・2SiO2) が分散されたガラスセラミックスである。

 CAD/CAM による切削加工前は、メタケイ酸リチウム (Li2O・SiO2)として約40体積%ガラス構造中に分散された状態にあるが、その後の熱処理によりメタケイ酸リチウムは2ケイ酸リチウムに変化し約70体積%に増加し、寸法変化なしに強さ、硬さが増大し歯冠色への変化が起きる。

 ガラス構造は加熱により軟化することができることからその特性を利用した加圧成形タイプ (IPS e.max Press、ヴィンテージ LD プレスなど)は、加熱プレス機により900℃前後で15~25分かけて圧入する。同一メーカーから出されているIPS e.max の場合、加圧成形タイプは機械的強さが CAD/CAM タイプよりやや優れている。

 2ケイ酸リチウム系ガラスセラミックスは、通常のガラスセラミックス(リューサイト系セラミックスなど)に比べると機械的強さは大きいがジルコニアに比べるとかなりちいさい。しかしガラス構造を有することから光透過性はジルコニアより大きく審美性はかなり優れている。

 従って、その特徴を生かすには臼歯部にも使用可能であるが、その適用は前歯部を主としている。臼歯部への適用は、その審美性と機械的強さからみると小臼歯部までの適用が妥当かもしれない。また、臼歯部への適用については冠の厚みを十分に確保することが必要である。2ケイ酸リチウム系ガラスセラミックスは、べニアセラミックスを使用してさらに審美性を向上させている。

 ケイ酸リチウム系ガラスセラミックス (Celtra Duoなど)もある。CAD/CAM 切削後の熱処理によりメタケイ酸リチウム結晶と2ケイ酸リチウム結晶の混合相を析出させたものであり、機械的強さは2ケイ酸リチウム系ガラスセラミックスより大きく光透過性も優れている。

 

 

 

 

 

 

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