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2019年10月 2日 (水)

Science ~材料科学の立場から考える~ ①

中島 裕(明海大学名誉教授)さんの歯科補綴物材料の研究論文を記載する。 コピーペー:

 

                    臼歯部審美補綴材料

 

はじめに

 

 白い歯にしてほしいという希望は患者の歯科医師へ対する大きな要望の一つである診療に際して73%の患者は、金属が外から見えることや金属色が嫌だと考えていることが20年以上も前に報告されている。また、都市部でのアンケートでは、金属色の修復物についての不満があるだけでなく、20~34歳の若いホワイトカラー勤務者の79%が、白い歯を有することは仕事の上にメリットがあると考えている。

 前歯部における審美補綴については歴史的にも古くから行われてきているのは周知のとおりである。それに加えて近年では臼歯部を含めた口腔内全体の審美補綴も関心がもたれ普及してきている。この背景にはジルコニア等のセラミックスや高強度コンポジットなどのような材料開発、CAD/CAM の進歩発展、そして歯科接着技術の進歩などのテクノロジーの急速な発展がある。

 日本国内においては社会保険制度のために、近年 CAD/CAM レジン冠の使用は認められたものの臼歯部審美補綴材料の選択の自由度が少ない。それに対して米国では、臼歯部補綴においては材料選択を幅広く行うことが可能である。したがって臼歯部補綴材料としてのトレンドを知ることができる。

 最近の米国における臼歯部・前歯部単冠用材料の使用状況においては、臼歯部においてジルコニア冠、陶材焼付金属冠、2ケイ酸リチウム系ガラスセラミックをあわせると90%以上を審美補綴材料が占めている。また、オールセラミック冠は全体の約60%となっている。古くから使用されてきている陶材焼付金属冠も多くの使用されているものの、最近では金属を使用しないオールセラミック冠臼歯部補綴材料としての主流となっていることが理解できる。この傾向は日本においても今後にあてはまると思われる。

 臼歯部審美補綴材料には、陶材焼付金属冠を含めたセラミック系とコンポジットレジン系材料に大別される。本稿は、その中でも近年注目されているジルコニアセラミックス、2ケイ酸リチウム系ガラスセラミックス、CAD/CAM 用コンポジットレジンについて材料科学の立場から解説する。

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