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2019年11月24日 (日)

Clinical 口腔症状を契機にHIV感染が判明した症例 ①

連 利隆(兵庫県立丹波医療センター歯科口腔外科)さん・前田 憲昭(岡山大学歯学部臨床教授)さんによる医学小論文―――「治りにくい!ふと、何かおかしいと思った瞬間」がキーポイント―――から :コピーペー :

 

はじめに

 

 現在、我が国のHIV新規感染者の約30%がすでにAIDSを発症している”いきなりAIDS”症例で、欧米に比較して診断の遅れが課題とされている。そして、”いきなりAIDS”症例がHIVに感染したのは数年~10年前で、その間患者は感染を知らずに生活してきたことを意味する。さらに注目すべきは、HIVに感染したと思われる機会があってから感染が判明するまでの間に歯科を受診した感染者は、厚労省のエイズ研究班(歯科)のHIV感染者849名を対象とした「歯科医療体制に関するアンケート調査(平成20年度)」で43.4%、また、河田の151名を対象としたHIV感染者の調査報告でも46.4%と、ほぼ同様で高い比率であった。特に、その期間に口腔内に何らかの症状を自覚した感染者は、エイズ研究班(歯科)の報告では15.3%、河田の報告でも18.5%で、口腔粘膜の白色病変、口内炎の頻発、出血、口腔乾燥等と回答している。

 さらに、HIV感染が判明した後に歯科診療所を受診した感染者の中で歯科受診時にHIV感染を告げなかった割合は、エイズ研究班(歯科)の報告では59%のうち31%、河田の報告でも72.2%のうち53.2%で高い結果だった。これらはしっかり認識すべき実態である。

 HIV感染関連の口腔症状は多岐にわたり、免疫異常の指標としてHIV感染の早期診断に役立つとされている。そして近年、口腔症状からHIV感染が判明した症例報告が増加している。以上のことから、2018年の第32回日本エイズ学会学術集会・総会(大阪府)「ワークショップ歯科」の発表者から提供された症例と、過去の症例報告を合わせて整理し、診断に苦慮する難治性の口腔病変に遭遇した時、HIV感染の可能性を鑑別診断に加える必要性について解説する。

 

 

 

 

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