Clinical 早期発見!口腔癌を見過ごさないために知っておくべきこと ④
続き:
3. 口腔癌の診断
◆口腔癌を見過ごさないためのポイント
●診察の基本は問診・視診・触診である。
●早期口腔癌は基本的には自覚症状が少ない。
●びらん・潰瘍に硬結を伴う病変には注意が必要である。
●頸部リンパ節転移の発生頻度が比較的高い。
●食道癌などの重複癌を生じることがある。
1) 口腔癌の診察
(1)問診でのポイント
早期口腔癌は自覚症状が少ないのが特徴であるが、口腔粘膜の違和感、摂食・咀嚼時における出血、接触痛、刺激痛等の軽微な症状を有することが多い。精緻な問診で、わずかな器質的変化を見逃さないことが口腔がん発見の第一歩だ。主訴とその症状を詳細に聴取して、癌の原発部位を亜部位で分類する。2週以上持続する腫脹、疼痛、出血または口内炎などがあれば注意する。さらに、喫煙歴、飲酒歴、食習慣などを聴取する。既往歴で頭頚部癌、咽喉頭癌、食道癌、胃癌、肺癌などがあれば、重複癌としての口腔癌を考えること。
(2)口腔癌の亜部位別の主訴
①頬粘膜:頬の粘膜に口内炎。頬の裏にしこりがある。頬の内側が腫れている。
②上下額歯肉:歯肉が痛い。歯肉から出血する。歯肉が腫れている。歯が嚙み合わない。
③硬口蓋:上顎が痛い。上顎が腫れている。
④舌:舌が痛い。舌が腫れている。舌にしこりがある。舌がしびれる。舌が動きづらい。舌が白い。口内炎が治らない。舌の横に口内炎ができている。
⑤口腔底:舌のつけねが痛い。舌のつけねが腫れている。舌のつけねにしこりがある。口の底に口内炎ができている。
⑥口唇:唇が腫れている。唇が痛い。唇が爛れている。唇の口内炎が治らない。
<その 1>
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