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2019年11月18日 (月)

Clinical 早期発見!口腔癌を見過ごさないために知っておくべきこと ⑤

続き:          <その 2>

 

( 3 )視診・触診でのポイント

 口腔は直視が可能で、直に触れられる部位であり、視診と触診が診察での大きな比重を占める。口腔を一定の順番で視診し、続いて触診に移る。視診・触診で腫瘍が疑われる時は、擦過細胞診または生検を施行。

 舌の触診ではガーゼで舌尖を把持し、舌側縁は葉状乳頭部から舌尖まで、舌背は有郭乳頭部を含めた舌根から舌下面(舌腹)、口腔底に至るまでを診査。舌側縁部は口腔癌の好発部位で、内向性に発育する腫瘍も多く、十分に指で触れながら確認。硬結は悪性腫瘍を疑う重要な所見で、特に舌、頬粘膜、口腔底、口唇では、硬結の有無とその範囲を探る。

 頬粘膜や口腔底では双手診により診査。上顎歯肉頬移行部や下顎歯肉舌側部も見落とすことなく診査。ステノン管やワルトン管開口部は、必要に応じて涙管ブジーを挿入して導管の閉塞を診査。

 視診・触診で腫瘍を確認したら、腫瘍の長径(mm)✖短径(mm)✖厚さ(mm)を計測。腫瘍の深達度(DOI)は、最大径との組み合わせで予後を反映することにより、UICC第8版から口腔癌のT因子分類に導入された。

 ①腫瘍の形状、表面性状を診査

  発育形態は肉眼的に表在型(表在性の発育を主とするもの)、外向型(外向性の発育主とするもの)、内向型(内向性の発育を主とするもの)に分類される。表在型の白板症では、白色部分が均一で表面形態が平滑または皴状を呈しているか(均一型)、白色部分にびらん・潰瘍を伴い表面形態が隆起または疣状を呈しているか(非均一型)、などを診査する。

  口腔潜在的悪性疾患(白板症、紅板症、口腔扁平苔癬等)で異型上皮を描出するにはヨード生体染色が有効な場合がある。生体染色を行って不染帯がみられたら、専門機関での精密検査を考えるべきである。

 ②領域リンパ節腫脹の有無を診査

  顎下・頸部の触診ではリンパ節の部位、大きさ、硬度、圧痛、可動性(周囲との癒着)等いついて診査。頸部の触診は患者の背後または側面に立ち、一定の力加減で一定順番で、くまなく探っていく。その範囲の上縁は下顎骨下縁から乳様突起先端、後縁は僧帽筋前縁、下縁は胸骨上縁から肩峰、第7頸椎棘突起までである。蝕知可能なリンパ節の大きさは、顎下リンパ節やオトガイリンパ節では5mm、頸部の深在性リンパ節では10mm程度が限界。顎下部では双子手診を行うことで、舌・口腔底癌の深部浸潤や下顎骨との癒着状態の評価が可能となるが、客観的な評価基準を示すことは難しく傾向的に主観的診断となる。

          そのため、―――次は     <その 3> へ続く。

 

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