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2019年11月16日 (土)

Clinical 早期発見!口腔癌を見過ごさないために知っておくべきこと ③

続き:          ※口腔癌の特徴  <その2> 

 

5) 口腔潜在的悪性疾患と口腔上皮性異形成

 口腔癌は突発性(de novo)の発生が比較的少なく、癌化する可能性のある状態が持続するといわれている。白板症や口腔上皮性異形成の癌化率は、観察期間で異なるが1~12%とされる。紅板症は白板症と混在発生することが多い。2017年に改訂された世界保健機構 (WHO) 分類では、口腔の前癌病変と前癌状態の区別をなくし、口腔潜在的悪性疾患 (Oral potentiialy malignant disorders : OPMDs) として「臨床的に前駆病変か、正常口腔粘膜かにかかわらず、口腔癌になりうるリスクを有する臨床症状」との概念が提唱された。

 この中には紅板症、紅板白板症、白板症、口腔粘膜下繊維症、先天性角化異常症、無煙タバコ角化症、リバーススモーキングに関連した口蓋角化症、慢性カンジダ症、口腔扁平苔癬、円板状エリテマトーデス、梅毒性舌炎、日光角化症などが挙げられている。

 組織学的に口腔上皮性異形成を呈する病変は、発癌に至る遺伝子変異がすでに惹起され、癌を発生する形態学的な変化を呈し、その異形成の程度が強いほど癌になるリスクが高い。

 WHO分類では2分類法と3分類法を併記している。2分類法は低異型度と高異型度に分ける。3分類法は異型のみられる上皮層のレベルにより軽度異形成、中等度異形成、高度異形成に分けられ、口腔では高度異形成は上皮内がんとしている。

 WHO頭頚部腫瘍分類では口腔上皮性異形成と、下咽頭、喉頭、気管における異形成とは明確に区別された。

 

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