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2019年11月20日 (水)

Clinical 早期発見!口腔癌を見過ごさないために知っておくべきこと ⑦

続き:

 

2) 口腔癌の病理診断検査

 口腔癌の病理診断検査には細胞診と組織診とがある。検査において病変の確実な診断を得るためには、病変のどこから検体採取を施行すべきかを見極めることが肝心である。

(1)細胞診検査

  細胞診は患者に対する侵襲度が低いため、口腔癌検診や診察時のスクリーニングとして頻用されている検査で、一般の歯科診療所で安全、簡便に行える。病変を直接擦過して検体採取する擦過細胞診は塗抹法が主流で、最近は液体化細胞診が手技によるエラーが少ないので、普及している。擦過細胞診では病変から採取した細胞にパパニコロウ染色を施し、悪性の可能性を5段階で評価するパパニコロウのクラス分類が広く用いられてきた。最近は日本臨床細胞学会口腔癌検診ワーキンググループの新報告様式が用いられている。

  日大歯学部付属歯科病院口腔外科で治療を行った口腔癌患者105例中、細胞診を施行し判定不能となった症例を除いた80例のパパニコロウ分類分類結果は、クラスⅡ6%、クラスⅢ32%、クラスⅣ9%、クラスⅤ53%であった。3段階分類では陰性(Ⅰ+Ⅱ)6%、疑陽性(Ⅲ+Ⅳ)41%、陽性(Ⅴ)53%。

  全体の47%が非陽性であった。採取時の臨床タイプが明らかな61例中、陽性例は潰瘍型が多く、非陽性例には白斑型が多く含まれていた。陰性の判定(Ⅰ+Ⅱ)の場合でも細胞診結果の過信は禁物だ。細胞診では病変部から確実に細胞採取がされていないこともあるため、経過観察の要否の決定も慎重におこなうべきである。

(2) 組織診(生検)

  治療を前提とした生検組織の採取は、病変と隣接する組織を含めた一部切除が一般的だ。ただし、悪性腫瘍の可能性が高い症例では、治療を行える専門機関に生検を委ねる。拡がりが大きい病変では、1か所では過小評価のおそれがあるため、性状が異なる潰瘍部や隆起部などのおそれがあるため、性状が異なる潰瘍部や隆起部などの複数部位より生検を行う必要がある。生検での病理組織学的診断結果により確定診断が得られる。

 

◆擦過細胞診における細胞採取のポイント

 ●びらん・潰瘍病変からの採取の際は、表面麻酔を併用し疼痛の軽減を図る。

 ●採取器具(綿棒または歯間ブラシ)を生理食塩水に浸す。

 ●病変部を擦過する時は、採取器具を病変に押さえつけるようにして、同一部位を数回擦過し、深層部から細胞を採取する。

 ●細胞採取後は直ちに採取器具をスライドガラスに軽く圧接塗抹し、塗抹後は細胞を乾燥させないよう迅速に固定用スプレーを噴霧。

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