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2019年11月15日 (金)

Clinical 早期発見!口腔癌を見過ごさないために知っておくべきこと ②

続き:

 

2. 口腔癌の特徴

 

◆口腔癌を見過ごさないためのポイント

 ●口腔癌の発生は中高年齢者の男性に多い。

 ●口腔癌の発生は喫煙と飲酒との関連が高い。

 ●口腔癌の9割程度は扁平上皮癌である。

 

1) 口腔癌の発生状況

 わが国での人口10万人に対する最新の口腔・咽頭癌罹患率においては、おおよそ男女比は2.6:1で男性が高く、年齢では男性は70代、女性は80代にピークがみられる。

 口腔癌の発生状況は人種、地域または生活様式によって異なる。日大歯学部附属歯科病院口腔外科で、2013年1月~2017年12月迄の5年間に治療を行った口腔癌患者105例における男女比は2:1で、年齢・性別分布では27歳~90歳までにみられ、男性60歳代、女性70歳代にピークが認められた。その平均年齢は64.4歳であった。原発部位別発生頻度は舌46%が最も高く、次いで歯肉35%、頬粘膜7%、口底7%、硬口蓋4%、口唇1%の順であった。

 病理組織学的分類では扁平上皮癌であった。

 

2)口腔癌のリスク因子

  口腔癌の発生因子として、よく知られているのは喫煙と飲酒だ、口腔癌全体の約80%は喫煙が原因とされる。喫煙者と非喫煙者での死亡比は、喉頭癌32.5、咽頭癌3.29、口腔癌2.85である。その他の口腔癌発生因子としては、慢性の機械的・物理的刺激(歯の鋭縁、不適合な充填物や補綴物、咬傷、歯列不正)、口腔内不衛生などが挙げられる。

  口腔癌の発生リスクを下げる可能性がある食物は、非でんぷん野菜と果物とされる。また、癌発生の確立を低下させるためには、喫煙、節酒、食生活、身体活動、適正体重の維持などの健康習慣を実践することが推奨されている。

 

3) 口腔癌の亜部位分類について

 国際対がん連合 (UICC) 分類では口腔の解剖学的部位を6つに分けている。

 ①頬粘膜、②上顎歯肉、③下顎歯肉、④硬口蓋、⑤舌、⑥口腔底。口腔癌とは、UICC分類における口腔6部位の被覆粘膜に原発した癌腫のこと。小唾液腺癌を含み、転移性のものは除くが、口唇癌も対象となる。

 

4) UICC第8版 TMN分類

 UICC第8版に改訂され、TMN分類におけるT因子に深達度(depth of invasion ; DOI)、さらにN因子に臨床的節外浸潤 (clinical extranodal extension : cENE)の評価が加わった。

 DOIの概念は口唇と口腔のみに適応され、主要周辺の正常粘膜基底膜から癌浸潤最深部までの距離と定義され、①5mm以下、②5mmを超えて10mm以下、③10mmを超える、の3段階に分類される。

 ENEの分類には、①臨床的に節外浸潤所見なし : cENE (-)と、②臨床的に節外浸潤所見あり : cENE (+)が導入された。

          ※   口腔癌の特徴―――その<1>

 

 

  

 

 

 

 

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