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2019年12月31日 (火)

Science 歯髄幹細胞が広げる細胞治療の今後の展望 ⑥

続き:

 

7. 歯髄細胞でも中枢神経損傷後の後肢麻痺を軽減できる

 歯髄細胞は医科領域でも応用できる。わが国における外傷性脊髄損傷患者の発生率は、年間100万人あたり30~40人であり、毎年5000人程度増えている。現在、脊髄損傷に対する治療は、麻痺を対象としてではなく麻痺の増悪を予防するための処置であり、脊髄事態に対処する治療法がなかった。そこで、細胞治療が期待されている。

 これまでに、脊髄損傷には神経幹細胞、骨髄間葉系幹細胞、嗅粘膜細胞およびiPS細胞等の様々な細胞移植の有効性が示され、骨髄間葉系幹細胞の臨床治験も国内で始まった。本田らもヒト歯髄細胞が有効であることを確認した。ラットの脊髄を圧挫直後、圧挫部位に歯髄細胞を投与すると、劇的に歩行機能が改善した。

 細胞移植したラットの後脚は立っているが、細胞を移植しないと、後脚を引きずったままだ。今回は挫滅直後に細胞を投与したので、大きな効果があった。しかし、実際には脊髄損傷後に細胞を投与するには、細胞の採取および細胞を増やすための一定の期間が必要だ。そこで、損傷直後に投与できる仕組みが必要になる。

 その仕組み作りに、歯髄細胞が最も適していることを後で述べる。

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