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2020年1月16日 (木)

Clinical ~超高齢社会における歯科医療の役割~③

続き:

 

3. 口は感染の入口

 

1) 多職種連携による口腔衛生管理 ~均てん化と個別化~

 日常臨床において、要介護者への口腔ケアを行う主体者は、看護師や介護者である。歯科衛生士が病院や施設で口腔ケアを行う機会が増えているが、歯科衛生士がすべての患者に対して口腔ケアを行うことは不可能である。そこで、看護師が行う日常的な口腔ケアと歯科衛生士が行う専門的な口腔ケアとの役割分担を明確にし、職種間の連携を強化することで、口腔ケアの質と効率性を高めることが可能となる。咬合の職種間連携は、急性期病院や老人保健施設などでは、関わる職種が異なるかもしれないが、口腔ケアを効率的かつ効果的に実施するためには、どの施設においても多職種連携が不可欠だ。

 多職種連携による口腔衛生管理のポイントは、「均てん化」と「個別化」であると考える。

※均てん化:介助者による対応

  口腔アセスメントとケアプロトコルによる評価と手技の標準化

※個別化:歯科による対応

  介助者だけでは対応が困難な症例に対して歯科衛生士によるプロフェッショナルケアの実施や歯科医師による義歯修理、う蝕治療等

 口腔ケアの主体者である看護師や介護者による日常的ケアの標準化と技術向上を図ることで、口腔ケアの均てん化を目指す。一方、口腔ケアが困難な症例に対して、個別の対応として歯科衛生士が専門的な口腔ケアを実施する。この「均てん化」と「個別化」により、効率的かつ効果的な口腔衛生管理が行える。

 

2) 口腔アセスメントから始まる

 口腔ケアの均てん化は、口腔内の汚染や乾燥の程度を評価(口腔アセスメント)することから始まる。口腔ケアの頻度や内容は、口腔内の汚染状況や日常生活動作(Activies of Daily Living:ADL)の自立度などのよって変化。そこで、口腔アセスメントにより定量的に口腔内の状況を評価し、口腔の汚染度にあわせてケアプロトコルを作成することで、介助者間での口腔ケアの手技や介入回数の統一を図る。

 また、汚染状況がひどい、口腔乾燥が強い、開口拒否が強いなど口腔ケアの実施が困難、または時間がかかってしまうような場合には、歯科衛生士による専門的な口腔ケアが必要となる。アセスメントにより汚染状況を評価し、ある点数以上の汚染状況の場合には歯科衛生士に依頼ができるようなパスができあがると、歯科へ依頼しやすくなる。さらに、アセスメントにより義歯の不適合等の評価ができれば、歯科医師による義歯の修理や新製の依頼も行え、口腔衛生管理だけでなく、口腔機能の回復も図れる。

 

 

 

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