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2020年1月22日 (水)

軍事研究をアカデミズムは拒めるか ②

続き:

 

制度の概要

 推進制度は、防衛装備庁が研究テーマを示して公募し、将来の軍事装備品として使えそうだと判断した研究課題を採択し、莫大な研究費を提供する。

 各採択課題にはプログラムオフィサー(PO、装備庁の職員)が配置されるが、POは、研究に介入せず、成果の公表についてはPOに事前に届けるのみで後は自由、成果の特許権は日本版バイドール法に則って研究者に供与される(実は、契約時に問題のある条件が課せられているが、ここでは論じない)。

 なんだか良いことずくめのように見えるが、基本は軍事研究の募集であることを忘れてはならない。

 実は、この方式はアメリカ国防省に属する DARPA (国防高等研究計画局)が採用している方式で、研究者の自由度を保証することにより応募者を増やすとともに、研究者集団の動向を把握するという狙いがある。

 そして、採択課題の中で、将来の軍事装備にとり技術的に卓越した提案と認めると、国防省所属の研究所で本格的な開発を行うことになる。むろん、この段階では完全な秘密研究となる。

 日本では科学者の軍事研究の歴史はまだ日が浅いので、多くの研究者からの応募を得るため、とりあえず自由な民生技術の開発と思わせる戦術を採用しているのである。

 しかし、推進制度が定着し、その資金に多くの研究者が頼らざるを得なくなると、秘密研究に引き込まれていくことになるだろう。つまり、現在は魚釣りの撒き餌の段階というわけ。

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