Report 2019 新型インフルエンザ ②
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しかし一方で、高率で低感受性株(耐性変異ウイルス)が生じることが治験の段階から判明しており、耐性変異ウイルスが家族内でヒトーヒト感染した事例も報告されていることから、その使用については専門家の中でも意見が分かれている。
日本感染症学会のインフルエンザ委員会は 2019/10/19 、「抗インフルエンザ薬の使用について」とする提言を発表したが、同薬については、12~19歳および成人では「現時点では、推奨/非推奨は決められない」とした。12歳未満の小児については「低感受性株の出現頻度が高いことを考えて、慎重に投与を検討する」とした。
一方、日本小児科学会は2019/10/21、に発表した「2019/2020 シーズンのインフルエンザ治療指針」で「12歳未満の小児に対する同薬の積極的な投与を推奨しない」としている。
国立感染症研究所によると、41週~45週のウイルスの検出状況は、AH1pdm09 が98%、AH3亜型とB型がそれぞれ1%だった。検出株の大半を占める AH1pdm09ウイルスは、実は2009年に発生した”新型ウイルス”だった。ブタ由来のAH1ウイルスに、トリ由来、ヒト由来のウイルス遺伝子が再集合した遺伝子型をもつ。従来流行を繰り返していたヒトのAH1ウイルスとは抗原性が全く違うため、2009年に出現するや世界的な大流行(パンデミック)を引き起こした。
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