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2020年1月28日 (火)

関西電力の企業ガバナンス ④

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動きを見せない検察

 関西電力幹部の金品授受は、金沢国税局が2018年初めに建設会社と元助役の税務調査に入ったことが発端だ。元助役から幹部に多額の金品が渡されていたことがわかり、関西電力は2018年7月に社内調査委員会を設置し、9月に調査報告書がまとまった。ところが岩根社長、八木会長らは報告書を握りつぶした。取締役会に報告せず、公表しなかった。メディアが暴露するまで隠し続けていた。

 報告書は常任監査役を通じて監査役会に報告されていた。会社法では経営や会計などに不正が認められた場合、監査役は取締役会や株主総会に報告する義務がある。関西電力には社外監査役も4人いる。この4人はどんな判断をしたのか。

 「外部の公正な目」は機能しなかった。関西電力のガバナンス(企業統治)は決定的に欠けていたしかいいようがない。

 関西電力は、ようやく第三者だけで構成する調査委員会を作り、徹底調査をするよう委託した。元助役は社内調査で事情聴取の対象にならず、2019年3月に90歳で死亡した。「徹底調査」とは言うが、金品を渡した経緯や理由について、第三者委員会は元助役に直接、話を聞くことはできない。

 元助役から金品を受け取っていたのは、関西電力幹部だけでなく、福井県の幹部職員にも及んでいたことが、その後の県の調査で判明した。また、高浜町の監査委員が、元助役の関連企業と町が結んだ随意契約の一部に「疑問を抱かざるを得ない処理があった」とする報告者をまとめたことも明らかになった。

 市民団体などは、関西電力が建設会社への工事発注に便宜を図った疑いがあるとして、検察に刑事告発する準備を進めている。福井県の職員に対する刑事告発も検討されている。

 建設会社や元助役をめぐる金の流れは、国税局から検察に情報が行っているはずだ。だが、不思議なことに検察の動きは見られない。「原発マネーの還流」と見られる不透明な金の流れに、司法がメスを入れるのが当然ではないか。

 建設業者や、関西電力の幹部4人は国税局の指摘に応じて税務署に修正申告したことが明らかになっている。それは、税法違反の疑いで刑事事件となるべきものではないのか。メディアが報道しなければ、原発マネーをめぐる闇は握りつぶされたのだろうか。日本の検察、そして司法は正しく機能しているのかという強い疑問が湧きあがる。

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