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2020年2月13日 (木)

Science Evidence-Based Medicine (EBM) の実践を考える ②

続き:

 

4. EBMの5つのSTEP

 

 EBMでは、問題解決を行うプロセスを5つのステップで考える。5STEPの臨床現場における用い方として、3つのモードが紹介されている。1つ目は”doingモード”で、STEP1~5までの各ステップをすべて丁寧に行う方法である。理想的ではあるが、忙しい日常臨床の中で毎回行うのは非現実的である。しかし、臨床研修における教育目的や定期的に自身の臨床を見つめ直すためには非常に有効である。2つ目は”usingモード”だ。これは定式化された問題に対してエビデンスの要約を検索し、批判的吟味が成された情報をSTEP4に用いる方法。すなわちSTEP3は行わない。そして3つ目は”replicatingモード”だ。これはSTEP1で臨床問題を明確にした後、信頼できる専門家の情報検索・批判的吟味・推奨結果を用いてSTEP4を行う方法だ。――STEP2とSTEP3は行わない。診療のガイドラインの推奨を利用する場合などがこれに含まれる。

 これら3つのモードはすべてEvidenced-Basedアプローチであると言えるものの、”usingモード”および”replicatingモード”を用いる際には注意が必要。エビデンスの要約を用いる際には、必ず批判的吟味が成された情報を用い、その要約・推奨に対しても盲信的になってはいけない。

 

5. 回答可能な臨床疑問を設定する(STEP1)

 

   臨床問題は問題の本質がどこにあるのか分かりにくい場合が多い。STEP1では曖昧な問題を絞り込み、回答可能な臨床疑問へと置き換える必要がある。この方法として”PICOによる定式化”が推奨されている。PICOとは、Patient(どんな患者が)、Intervention(どんな治療/検査を受けるのは)、Comparison(どんな治療/検査と比べて)、Outcome(どうなるか)の頭文字をとったもの。

 ここで大切なのは適切な”Outcome:アウトカム”の設定である。目の前の患者にとって最も大切なアウトカムは何であろうか?インプラント治療であれば「インプラントが長持ちすること」、「咀嚼機能が保全されること」、「審美的であること」など様々なアウトカムが考えられ、その重要度は患者によって異なる。これらは患者の”真のアウトカム”と言える。しかしながら臨床研究では観察期間内に測定可能なアウトカム(エンドポイント)を設定しなくてはならない。

 真のアウトカムを直接測定することは困難なため、”代用のアウトカム”が用いられる場合が多い。インプラント治療であればX線による辺縁骨吸収量、辺縁軟組織の移置、ISQ値(implant stability quotient value:インプラント安定指数)、患者満足度などがこれに該当。患者の”真のアウトカム”を反映した”代用のアウトカム”を選び出すことが重要だ。

 

 

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