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2020年3月30日 (月)

Science~緑茶由来カテキンを応用した新規骨再生材料開発~③

続き:

 

4. カテキンとエピガロカテキンガレート (EGCG)

 カテキンは多様な生理活性を持つ。

 ※   カテキンが持つ主な生理活性

 抗酸化、抗突然変異、抗がん、抗動脈硬化、血中コレステロール低下、血圧上昇抑制、血糖上昇抑制、血小板凝集抑制、抗菌、抗ウイルス、虫歯予防、 

 抗肥満、抗アレルギー、腸内フローラ改善、消臭、環境ホルモンの作用抑制、脳障害軽減等

 特に、減量効果を期待して様々なカテキン入り飲料や食品が売られていることもあり、カテキンの名を知らない方は少ないと思われるが、広義にはカテキンとはフラボノイド系、ポリフェノールの一種。緑茶には、(-)-エピカテキン(EC)と(-)-エピガロカテキン(EGC)、およびそれらの没食子酸エステルである(-)-エピカテキンガレート(ECG)と(-)-エピガロカテキンガレート(EGCG)のカテキンが含まれていることが知られている。

 乾燥茶葉中でそれぞれのカテキンが占める比率は、ECが10%、EGCが22%、ECGが11%、EGCGが54%程度と、EGCGが特に多く含まれている。ECは、他にリンゴ、ソラマメ、ブドウなど他の植物からも得られるカテキンであるが、EGC、ECG、EGCGは茶に特徴的なカテキンだ。

 最も強い生理活性を持つEGCGは細胞生存や増殖、細胞分化、細胞外基質分泌などに影響を及ぼし、医療応用でもがん、心疾患、肥満、口腔感染症、糖尿病などのほか、多くの疾患に対して抑制や予防効果を発揮することが知られている。そのメカニズム解明も他の植物由来物質より進んでおり、EGCGが効果を発揮する機序の一端として、緑茶カテキンレセプター(67LR)がすでに発見されている。同レセプターは特に、抗がん作用との関係が精力的に調べられている。また医薬品としては、原征彦らが陰部イボ治療薬として、EGCGを含有する茶カテキン軟膏をアメリカFDAの厳密な審査を通過させ、実用化にこぎつけている。 

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