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2020年3月 8日 (日)

内の目外の目 第207回 スポーツドリンクの飲み方について ②

続き:

スポーツと水分補給、歯科疾患リスクの関係

 一般人に比べて、スポーツ選手のう蝕や酸蝕症の発症リスクが高いことは国内外の研究成果から明らかにされている。例えば2012年ロンドンオリンピック参加選手278名の調査結果では、う蝕有病者率は55.1%、酸蝕症に至っては44.6%もの高値を示し、スポーツドリンク摂取との相関関係も存在したという。

 ハイリスクの要因としてトレーニングによる口渇(唾液分泌低下、口呼吸)とスポーツドリンク補給の反復、高カロリー食と補食・間食の影響、疲労によるブラッシング怠慢などが示唆される。

 上野(筆者)の教室で行った1%脱水高強度運動負荷試験でも、スポーツドリンク補給によって唾液分泌低下の速やかな抑制が得られることを確認。しかしその反面、唾液緩衝能は大きく低下した。同じ試験をミネラルウォーター補給で行わせると、唾液分泌の回復が遅く、効果も穏やかであった。ただ当然であるが、唾液緩衝能には全く負の影響はなかった。

飲み方に関する指導助言

 水を飲むなと言われた一昔前とは違って、積極的な水分補給が必要不可欠とされる現代スポーツ界にあって、スポーツドリンクを飲むなと言う指導はナンセンスだ、到底受け入れられない。そこで上野(筆者)は、スポーツドリンクと水(あるいはお茶)の両方を用意し、練習内容や強度、時間、環境、気象条件など、スポーツの状況に応じて飲み分けるよう助言している。暑い夏の盛り大汗をかいて、体力消耗も激しい時はスポーツドリンクを飲むべきだし、涼しい季節に短時間運動なら水やお茶で十分ではないか?この問いにうなずく選手は多い。

 それから、ちびちびだらだら飲むよりゴクゴク一気に飲んだほうが、またコップやドリンクボトルから直ちに飲むよりストローを奥まで挿し込んで飲んだほうが歯に優しいことが示唆されているので、そうした点も解説すべきであろう。

 最近栄養ゼリーの影響やスポーツドリンクの希釈効果、含嗽によるリセット効果についての検討も重ねており、スポーツ現場での応用実践が期待される。

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