Report 2020 国民健康・栄養調査 ③
続き:
世帯の所得を200万円未満、200万円以上400万円未満、400万円以上600万円未満、600万円以上の4群に分け、食生活、運動、喫煙、飲酒、睡眠、健診、体型、歯の本数について所得別に状況を比較した。
その結果、600万円以上の群と200万円未満の群で有意な差があったのは、「歯の本数が20歯未満と回答した者の割合」、「現在習慣的に喫煙している者の割合」、「健診等の未受診の割合」、「栄養バランスのとれた食事をしている者の割合」など。その反面、「運動習慣のない者の割合」、「肥満者の割合」、「やせの者の割合」などでは両群間に有意な差なく、男性では、「果物摂取量100g未満の者の割合」、「睡眠による休養が十分に取れていない者の割合」、女性では「野菜摂取量の平均値」、「食塩摂取量の平均値」、「飲酒している者の割合」などでやはり有意な差はなかった。
国民健康・栄養調査では2014年の調査でも所得と生活習慣等の状況を調べている。今回(2018年)の結果は2014年の調査結果に近い傾向となっており、所得別で有意差のある項目でもその差が拡大しているわけではない。
この結果だけ見ると、「健康格差」の縮小傾向まで読み取れないものの、少なくともここ数年で日本でも「健康格差」が拡大しているとは言えないようだ。
「健康格差の縮小」は「健康日本21(第二次)」の目標の一つにもなっている。
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