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2020年3月 7日 (土)

内の目外の目 第207回 スポーツドリンクの飲み方について ①

上野俊明(東京医科大学院医歯学総合研究科スポーツ医歯学分野准教授)さんの小論文を載せる。コピーペー:

 

◎ はじめに

 日本のスポーツドリンクでは、ポカリスエットとアクエリアスがメジャーブランドだが、元祖と言えばアメリカのゲータレードである。1965年フロリダ大学医学部の Cade JR 博士が同大学アメリカンフットボールチーム「フロリダ・ゲーターズ」から相談を受けて開発したもので、現在でも世界シェア1 位を誇る。

歯科的および医学的な問題

 スポーツドリンクは体と喉、口の渇きを癒すだけでなく、パフォーマンスの維持向上にも役立つ。誰もが知っていることであり、異論をはさむ余地はない。しかしどんな薬にも副作用があるように、スポーツドリンクにも問題はある。糖分が含まれる酸性飲料であるが故に、う蝕や酸蝕症といった歯科疾患リスクが濃密に付きまとう。

 医学的にも飲み過ぎによる肥満やケトアシドーシス(ペットボトル症候群)の問題がある。重篤な場合には死に至る恐れもあるため、普段から水の代わりに飲み続けることに警鐘が鳴らされている。

 こうした問題もあって、スポーツドリンクは乳幼児の高熱や熱中症対策には推奨されなくなり、代わってベビー用ドリンクや経口補水液が開発され、種々市場に出回っている。なお、WHOも糖分が含まれる清涼飲料水の多飲によるう蝕や肥満、糖尿病問題を指摘しており、ソーダ税(砂糖税、肥満税)を導入、実施している国や地域もある。

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