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2020年4月19日 (日)

Clinical リハビリテーション栄養における医科歯科連携の重要性 ⑦

続き:

9. 日本リハビリテーション病院・施設協会、医科歯科連携推進委員会

 日本リハ病院・施設協会は1989年8月に「日本リハ病院協会」として設立された。リハの中でも特に地域リハ、医科歯科連携に重きを置いて活動している。日本歯科医師会からは現在、外部理事として細野純先生が参加されている。経済財政運営と改革の基本方針2019(骨太方針2019)には、「フレイル対策にもつながる歯科医師、歯科衛生士による口腔健康管理など歯科口腔保健の充実、入院患者等への口腔機能管理などの医科歯科連携に加え、介護、障害福祉関係機関との連携を含む歯科保健医療提供体制の構築に取り組む」とあり、若林も医科歯科連携を推進したいと考えて活動している。

 医科歯科連携推進委員会は、2017年5月より口腔リハ推進委員会から名称変更を行い活動している。委員会の目的は、「口のリハビリテーション」を推進することである。「口のリハビリテーション」の理念は、どのような障害があっても、最後まで人としての尊厳を守り、「諦めないで口から食べる」ことを大切にするすべての活動である。

 活動の1つは、主に回復期リハ病棟を有する当協会会員病院と県歯科医師会との協約の下で、医科歯科連携を推進することである。各都道府県に少なくとも1つ、医科歯科連携の拠点となる当協会会員病院を作ることを目指している。今までに熊本県、沖縄県、長崎県、群馬県、鳥取県の歯科医師会と当協会の共催で、『口のリハビリテーション医科歯科連携インストラクター講習会』を開催してきた。

 講師は医科歯科連携推進委員会の委員が担当している。医科歯科連携インストラクター講習会を医科歯科連携推進委員会と共催したいという都道府県歯科医師会があれば、若林まで連絡してほしい。2020/10/25、には岡山県歯科医師会との共催で開催予定である。

 回復期リハ病院と県歯科医師会の医科歯科連携が最も進んでいるのは、熊本県である。熊本県の医科歯科病診連携システム体系として、回復期リハ病院から熊本県歯科医師会病診連携窓口に連絡があれば、回復期リハ病院の入院中から退院後まで歯科医師、歯科衛生士が介入できる体制を作っている。2018年に作成された第4次熊本県歯科保健医療計画では、回復期における医科歯科連携に関する項目がある。また、医科歯科連携を行う回復期リハ病院数の増加を目標として、2017年の6病院を、2023年までに20病院にすることを目指している。特に熊本県歯科医師会理事の宇治信博先生が、回復期リハ病院と県歯科医師会の医科歯科連携を熱心に進めている。このような医科歯科連携システムを、全国に作りたいと若林は考えている。

 長崎県歯科医師会でも口腔リハインストラクターを養成して、回復期リハ病院と長崎県歯科医師会の医科歯科連携を推進している。2019年度より5回シリーズの研修会を開催している。日本リハ病院・施設協会の医科歯科連携推進委員会は、口腔リハインストラクター認定研修会の企画、講師を一部担当している。

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