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2020年4月21日 (火)

内の目 外の目 第208回 周術期等口腔機能管理の現状とこれから ①

山内智博(がん・感染症センター都立駒込病院歯科口腔外科医長)さんは述べている。

はじめに

 周術期等口腔機能管理とは、平成24年度診療報酬改定時に新設・収載された項目。主にがんや心臓血管外科、整形外科領域の全身麻酔手術や化学療法、放射線療法などの治療上で発症する口腔内の合併症を予防することを目的としている。これにより主科の治療継続を維持し生存率を向上させる支持療法として認識されており、肺炎の予防・創感染の予防などにより入院期間の短縮、医療費の圧縮も期待できるとされている。

 また、保険収載されている項目としては予防主体である極めてまれな事項である。そして医科歯科連携をはじめとする、今後推進するべき多職種連携のうちのひとつである。

周術期等口腔機能管理の変遷

 平成24年に保険収載されてから、適応症の拡大、介入頻度の増加など手厚く守られている項目である。現在に至るまで診療報酬改定時様々な変更により減点されることなく拡充されてきた。

 平成24年度の重点課題として、「周術期における口腔機能の管理等、チーム医療の推進」があげられ「周術期口腔機能管理」が新設。手術については全身麻酔下で施行する頭頚部領域、呼吸器領域、消化器領域等の悪性腫瘍、その他化学療法、頭頸部の放射線治療の患者を対象として開始。

 その後平成26年度には管理料の増点と造血幹細胞移植が対象として追加された。また、医科についても周術期口腔機能管理依頼の紹介に対しての加算や手術に際しての加算など、医科レセプトへの算定が可能となった。名実ともに医科歯科連携となる改定であった。

 平成28年度はがん等に係る緩和ケアを実施する患者が対象に追加された。周術期等口腔機能管理を通して歯科医師の緩和への関与が明言化された。

 平成30年度は、整形外科での人工関節置換術などの手術、脳卒中に対しての手術が対象に追加された。特に人工関節部位の歯周病菌の血行感染についても報告があり、感染管理としての周術期後からの経時的な歯科治療も重要であることを示している。

 今後の保険改定でも、医科歯科連携のもと周術期等口腔機能管理はさらに推進されていくことだろう。重度な口腔環境悪化状態への継続介入や歯科診療所での対応への適切な診療報酬の配分が望まれる。

 

 

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