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2020年5月19日 (火)

Clinical 地域連携医療のための歯科医師に必要な栄養学 ①

大久保 真衣(東京歯科大学口腔健康科学講座摂食嚥下リハビリテーション研究室准教授)さんの研究文を掲載 コピーペー:

はじめに

 生物が正常な活動を行うために必要な物質、つまり食事や食品を摂取し、それを生体内で消化する。さらにこの現象により発育と健康を維持することを栄養学という。さらに、臨床栄養学では栄養管理はすべての疾患治療の上で共通する基本的な医療の一つであると考えられる。つまり栄養学とは医療の一つであり、当然歯科と深い関係がある。

 栄養素をはじめ一般的な栄養評価については生化学や衛生学等で既に習得しているが、日常臨床において衛生学には今まで近くて遠い印象を持つことが多かった。しかし近年、歯科医学教育、歯科医師国家試験でも栄養学についての出題数は増加している。これは、超高齢社会を迎えた日本で「口腔機能の回復」と「適切な栄養摂取」が重要視されているから。

 「口腔機能の回復」とは、う蝕、歯周病、補綴治療などの器質的疾患に対する治療と、摂食嚥下障害などの機能的疾患に対する治療の両者を指す。つまり個々の最適な器質と機能を実現するための「口腔機能の回復」となる。

1. 管理栄養士との連携

 2019年に日本老年歯科医学会が『歯科医師と管理栄養士が一緒に仕事をするために』という学会の立場表明を示した。現在歯科の診療報酬上、介護報酬上の管理栄養士への評価がない。しかし、歯科における栄養指導の業務内容は、歯科疾患による咀嚼障害、摂食嚥下障害、糖尿病などを持つ患者に対する指導、発達期に係る口腔機能発達に伴う栄養相談など多岐にわたっている。

 実際にサルコペニア、フレイル対策は超高齢社会において重要な方策であり、そのためには歯科医師として必要な栄養学の知識と、連携をとる管理栄養士について知ることは重要である。そして一緒に仕事をし、その評価を得ることは社会に大きく貢献できると思う。

2. 年代別の栄養指導

 高齢者のみならず全年齢において、歯科における栄養指導は必要。年代により栄養指導が異なることを留意する。

中高年者における栄養指導

 中高年の栄養指導で重要なポイントは「メタボ対策からフレイル対応への円滑な移行」である。中年期の肥満などのメタボリックシンドロームは、主に過剰栄養による問題。しかし後期高齢者になると健康長寿の延伸や介護予防の観点から低栄養の問題が出てくる。この円滑な移行を担う職種の一つが、かかりつけ歯科医として患者の口腔衛生管理と口腔機能管理を行っている地域の歯科医院であると考える。

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