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2020年5月12日 (火)

Science <舌と脳の味覚地図> ③

続き:

4. 橋傍腕核の味覚地図は背腹側方向にある

 橋傍腕核は延髄孤束核から投射を受ける1次中継核で、小脳脚(結合腕 図は略)の周りに神経細胞が多く認められることから結合腕傍腕核と呼ばれる。ヒトを含む霊長類では、ここを経由せず、孤束核から直接、視床、扁桃体、視床下部外側野などに投射する。傍腕核は結合腕の背側に内臓感覚、呼吸、循環に関わるニューロンがあり、結合腕とその腹側に味覚ニューロンが認められてきた。

 傍腕核での味覚局在性は、ラットとハムスターでは酸味ベストと塩味ベスト、マウスでは甘味ベストと塩味ベストであるとされたが、一方そのような局在性はないという報告もあった。我々は孤束核の場合と同様な方法で、塩味ベストは結合腕の腹側に、塩味/酸味ベスト、酸味ベストは結合腕内にあることを示した。この結果は、前述のラットの研究の塩味ベスト分布と一致、傍腕核では、塩味ベスト(嗜好)と塩味/酸味ベスト(忌避)は背腹側方法に分布する可能性を示した。

 また、吻尾側方向での分布の違いはなかった。我々の研究では、結合腕の背側で味覚ニューロンを記録できなかった。今後の研究によって。傍腕核の機能がさらに明らかになることを期待したい。

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