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2020年5月31日 (日)

GIGA スクール構想の行方をめぐって ③

続き:

◆ ICTは確かに役に立つ

 ICTが地理的条件を超えた学習機会の提供(遠隔教育)の可能性を飛躍的に高めたことは間違いない。前川自身、1990年代に、開発間もないTV会議システムでへき地の学校と都市部の学校を結ぶ「へき地マルチメディア事業」という実験に携わったことがある。今年は新型コロナウイルス対策でICTの価値が検証された。台湾では全土の学校で休校中のオンライン授業が行われたという。熊本市教育委員会では、震災の経験も踏まえWiFi環境のない場所でもつながるセルラーモデルのiPadを「3人に1台」で学校に配備していたが、今回の休校措置に伴い小学校5年生と中学校2年生全員に「1人1台」を持ち帰らせ、遠隔教育に活用した。しかし、このような事例は日本ではまだ極めて稀だ。

 3D動画の教育効果も大きい。例えば人体の臓器の働き、宇宙の太陽と地球と月の動きなど2D画像では理解しにくい内容も、3D動画を使えば圧倒的に容易に学ぶことができる。ICTが学習に役立つことに疑いの余地はない。

 ICTはもはや現代社会に不可欠だ。一般の職場ではとっくの昔に実現している情報端末1人1台の環境が、未だ学校に無いことの方がおかしい。文明開化の時代、学校は先進文明への窓口だった。未来を生きる子供たちには、学校こそ先進文明に触れる場でなければならない。パソコンなどの情報端末は、すでにノートと筆箱と同じような文房具だ。 と言っても過言ではない。学校での「1人1台」の先には、「BYOD(Bring Your Own Device)」の時代が予期される。情報端末は「教育」ではなく「学習」のための道具となる。

 ICTの活用は、障がいの有無にかかわらず「ともに学ぶ」インクルーシブ教育の実現の上でも重要。様々な障がいがICTで克服できる。それを積極的に実現することは教育行政の責任だ。「合理的な配慮」という言葉が子どもたちを「分ける」ための口実に使われてはならない。ICTの発達によって「合理的な配慮」は日々拡大し、ともに学ぶ環境は広がる。

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