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2020年6月 1日 (月)

GIGA スクール構想の行方をめぐって ④

続き:

◆  達成できない「整備目標」

 学校への情報端末整備は文科省が30年来進めてきた政策である。文部省(当時)が最初に「教育用コンピュータ整備計画」を立てたのは1990年。整備目標は1994年度までに「小学校に3台、中学校に22台」とされた。第2次計画(1994~1999)の目標は「小学校22台、中学校42台」、第3次計画(2000~2005)の目標は「小学校42台、中学校42台」だった。

 問題はその財源だった。義務教育費国庫負担制度は、義務教育におけるナショナルミニマムの確保のための財源保障制度だが、その中で教職員給与費と並んで国庫負担対象経費だった教材費は、大蔵省(当時)の強い圧力により1985年度に国庫負担から除外された。それと引き換えに教育用コンピュータ整備に特化した補助事業が設けられたが、それも1994年度に廃止、教育用コンピュータ整備の財源は一般財源化された。必要な財源を地方財政措置(交付税措置)の基準財政需要額に算入し、同時に地方の取り組みを促す「計画」を文科省が策定することによって、教育用コンピュータの全国的な整備を図ることにしたのだ。

 コンピュータ整備計画はその後、改正教育基本法(2006年)に基づく「教育振興基本計画(第1期計画:2008~2012)」に組み入れられ、5年間で教育用コンピュータ1台当たりの児童生徒数7.2人から3.6人まで下げる目標が掲げられた。しかしこの目標は全く達成できず、計画最終年度の整備状況は「6.5人に1台」に終わった。第2期教育振興基本計画(2014~2017)も「3.6人に1台」という同じ目標を掲げたが、これも実現せず2019年3月現在の数値は「5.4人に1台」にとどまっている。

 どうして目標が達成できないのか。それは、地方財政措置では財源保障機能が極めて弱いからだ。「地方財政措置」は、各自治体の一般財源(税収と地方交付税)の中に必要な財源が「入っているはずです」というだけだからだ。国庫補助・負担金のような特定財源と異なり、一般財源は自治体の判断でどう使ってもいい。いくら文科省が「計画」を作って旗を振っても、自治体財政における優先順位が低ければ取り組みは進まない。だから文科省が掲げる整備目標は一向に達成されず、自治体間の格差も開いてしまうのだ。

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