« スーパーシティ構想と国家戦略特区 ⑥ | トップページ | 人間と科学 第313回 体と心の5億年(3)—チャールズ・ダーウィン『ビーグル号航海記』を読む ② »

2020年6月27日 (土)

人間と科学 第313回 体と心の5億年(3)—チャールズ・ダーウィン『ビーグル号航海記』を読む ①

布施英利(解剖学者・美術評論家)さんの小論文を3部に分けて載せる。コピーペー:

 ぜんかいまでの連載で、体と心について考え、「心」というのは、どうやら内臓などの「体」とも無関係なものではないと、三木成夫の思想や脳科学者のアントニオ・R・ダマシオの著作から追ってみた。

 心が体にある、という考えを支えるのは進化論。なぜなら、体がこうなっているのは、進化の結果であるからで、人間の心や体について考えるのに、進化という視点は不可欠だ。進化論といえばチャールズ・ダーウィン。そこで2回に分けて、ダーウィンの本を読んでみたい。ダーウィンの主著である『種の起源』は次回にして、まずは若き日のダーウィンの紀行文『ビーグル号航海記』を取り上げる。

 チャールズ・ダーウィンは、1809年、イギリスに生まれた。母は、あの陶磁器メーカー・ウエッジウッドの創業者の娘で、おかげでダーウィンは生活のために稼ぐ仕事をする必要がなく、生涯を学問研究に費やすことができた。うらやましい限りだ。

 ケンブリッジ大学を卒業後の22歳の時、海軍の調査船ビーグル号ノ世界一周に同乗する。任務は、船長の知的な話し相手というものであった。ちなみに、ビーグル号の乗船にあたっては、親から現在の換算では 500万円ほどの資金援助があったという。この旅行記を読むと、訪問先で現地の人間を雇っていろいろな探訪をし、博物学の調査をしている。まさに「金に困らない」旅という感じで、重ね重ね羨ましい限りだ。しかし、旅はかなりハードなもので、現地での強盗・殺人その他の恐怖とも向き合ったというから、タフでなければ成し遂げられない、と感嘆もする。ともあれ、旅行記を読むと、それらの苦難も、味わい深いエピソードではある。ダーウィンは、この旅で世界の人々の暮らし、動物や植物、そして海や大地について、地球のすべての知識を実体験で吸収する。南米のチリでは大地震に遭遇し、まさに生きた地球の大きさ、パワーも体感する。

 

« スーパーシティ構想と国家戦略特区 ⑥ | トップページ | 人間と科学 第313回 体と心の5億年(3)—チャールズ・ダーウィン『ビーグル号航海記』を読む ② »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事