« スーパーシティ構想と国家戦略特区 ③—<2> | トップページ | スーパーシティ構想と国家戦略特区 ③—<4> »

2020年6月22日 (月)

スーパーシティ構想と国家戦略特区 ③—<3>

続き:

3 実証実験のリスクと責任

 スーパーシティでは特定地域で規制緩和をして新技術を実験するものだが、事故や犯罪などのリスクもある。例えば、2018年3月、米国アリゾナ州テンビでは完全自動走行の車が歩行者をはねて死亡させる事故を起こした。ここに関わっていたのは、実証実験の許可を得ていたウーバー社と、車を開発したボルボ社、そしてソフトウェアの開発企業だ。事故直後、車内カメラに記録された映像が公開されたことで大きな話題となった。

 映像によって、人間のドライバーならば十分に事故を避けられる距離があったことが多くの人に確認された。しかも同乗していたバックアップドライバーが自動走行中にスマホを見ていた事実も発覚し、その責任の所在をめぐって論争を引き起こした。

 同様の事故は今後日本でも起こる可能性があり、しかも規制緩和の「実証実験」の中であれば、自治体や国にも責任は発生する。また AI などの技術に過度に依存する地域は、実はコミュニティとして脆弱になる危険もある。人と人、人と自然の関係の希薄化、災害時のマンパワー不足、監視社会化、電気に依存するライフスタイルの問題点などを含め、文化や倫理、環境的な観点からも住民への説明と十分な議論がなされる必要がある。

« スーパーシティ構想と国家戦略特区 ③—<2> | トップページ | スーパーシティ構想と国家戦略特区 ③—<4> »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事