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2020年6月 2日 (火)

GIGA スクール構想の行方をめぐって ⑤

続き:

◆ 「国家意思」は本物か?

 GIGAスクール構想は国の補助金をつけるところに意味がある。現在文科省は「教育のICT化向けた環境整備5カ年計画(2018~2022)」を進めているが、その目標は「3クラスに1クラス分程度整備」(1日1コマ分程度、児童生徒が1人1台で学習できる環境の実現)とされ、その財源は「年間1805億円分の地方財政措置」となっている。GIGAスクール構想はこの計画に国庫補助をかぶせる形で策定され、その整備目標を「2023年度に1人1台」と一挙に引き上げた。

 しかし「なぜ補正予算なのか」は問われなければならない。政令指定都市市長会は1月30日、GIGAスクール構想について国の補助対象の拡大や事業実施期間の延長などを求める「緊急声明」を出した。政令市は学校数、児童生徒数が多いため、学校のIGT化環境整備がもともと遅れており、補正予算で一挙に実現できないという事情がある。

 悪い前例は、リーマン・ショック後の「経済危機対策」で打ち出した「スクール・ニューディール構想」だ。2009年度補正予算で、全国の学校に情報端末、電子黒板、ネットワーク環境を整備しようとしたが、自治体の足並みは揃わなかった。景気対策で大型補正予算を組む時だけ思い出したように学校のICT環境整備をするという手法では、計画的、永続的な取り組みはできない。

 2023年度を目標に整備を進めるのであれば、補正予算ではなく毎年度の当初予算に必要な経費を計上するのが筋道だ。本当に「国家意思」があるなら、義務教育費国庫負担金にICT環境整備費を盛り込むための法改正をしてもいいはずだ。前述のとおり、かって教材費は国庫負担対象経費だったのだから、こうした法改正は決して不可能なことではない。

 「情報端末1人1台」を「義務教育のナショナルミニマム」と位置づけるなら、むしろ国庫負担金こそあるべき財源措置である。

 2019/12/05、経済対策は「国として継続的に財源を確保し、必要な支援を講ずる」としているが、2020年度以降も継続的な国庫補助が行われるかは疑わしい。「あとは地方財政措置で『継続的に財源を確保』します」ということになるのではないか。元の木阿弥だ。

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